ナイキ(NIKE)が6月に発表した生産の高効率化と世界12都市での配達を速めることを推進する“コンシューマー・ダイレクト・オフェンス”戦略の一環で、8月に発表した255人に加え、さらに490人を解雇する。この解雇により、全世界7万4000人の社員のうち、2%を削減することになる。
同社のスポークスマンは人員削減の理由と今後について、「マーケットのスピードに合わせて動けるように、チャンスを最大限確保し、消費者に寄り添った決断を下すことを最優先に設定している。この目標を達成するため、成長が望めるエリアと才能に投資し、そうでない部分を削減するという戦略的決断を下した。この戦略に合わせ、今後数カ月以内に全世界で削減を完了する」と説明する。広告とマーケティング費も削減するのかについて、また、推定10億ドル(約1090億円)の拡張計画が発表されたオレゴン州ビーバートンの所有地の詳細についてはコメントを控えた。
ナイキはインテル(INTEL)と共にオレゴン州の主要雇用企業となっているが、同社のメーンマーケットであるアスレジャー市場は飽和状態、混戦の様相を呈している。アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)は5月にポートランドの新オフィスに約100人を新たに雇用したが、ライバル企業であるナイキやアディダス(ADIDAS)からデザイナーや幹部を引き抜いたといわれている。