デニムブランド「ウエストオーバーオールズ(WESTOVERALLS)」が売れている。同ブランドは今年春にデビューしたばかりだ。手掛けるのは、古着バイヤーとしての経歴を持ち、ノルウェーブランド「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」のエクスクルーシブライン、「ヘリーハンセン ロイヤル マリン クラブ(HELLY HANSEN ROYAL MARINE CLUB)」のデザイナーも務める大貫達正だ。
一般的なジーンズはヒザ位置でライン取りを変えるが、「ウエストオーバーオールズ」はそれを太もも位置に設定している。これによりO脚に見えにくく、さらにヒップ周りにゆとりを持たせることで日本人女性に体形にコミットしている。
「ウエストオーバーオールズ」を買い付けるRHC ロンハーマン(RHC RON HERMAN)の福田円バイヤーは、「ビンテージの雰囲気と、デザイナーズブランドの洗練を併せ持つ。このポジショニングのブランドは、これまでRHC ロンハーマンにはなかった。またシンプルでありながら、プロポーションアップをアシストしてくれるシルエットも顧客にウケている。何よりコストパフォーマンスが素晴らしい」と太鼓判を押す。「ウエストオーバーオールズ」の定番ジーンズは1万9000円が基本価格。「このデザインと作り込みでインポートブランドなら3万円を超えるだろう」と福田バイヤー。
これに対し、大貫デザイナーは「シンプルに見えるが、見えない部分を人体工学に基づきデザインしている。着用時、自分の足を見下ろした際、そのシルエットの美しさを堪能してもらえるだろう。また『ウエストオーバーオールズ』では、プライスもデザインの一部と考えている」と応ずる。RHC ロンハーマンでは、デニムブランドカテゴリーでNo.1の売り上げを誇り、17-18年秋冬アイテムは早くもサイズ欠けが起きている。
好評を受け、17-18年秋冬からは別注企画も始動している。「マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)が愛用したことでも知られる『リーバイス(LEVI’S)』の“701”にオマージュをささげたハイウエストモデルで、7月に投入し即完売。現在、追加オーダーを掛けている」と福田バイヤー。なお「ウエストオーバーオールズ」が別注アイテムを製作するのはRHC ロンハーマンのみ。18年春夏も、「より品番数を増やし、別注を行う予定」だという。