三陽商会は8日、来春から立ち上げる同社初のアウトドアブランド「ファイブレイクス・アンド・エムティー(5LAKES & MT)」を発表した。メンズ誌「ポパイ(POPEYE)」や「メンズクラブ(MEN’S CLUB)」などでモデルとしても活躍したエッセイストの木村東吉(クラウン・クリエイティブ所属)と組み、セレクトショップやアウトドアショップといった専門店、eコマースなど、従来の流通経路であった百貨店以外の販路を強化する狙いだ。
ブランド名は富士五湖に由来し、元々木村が自身のアパレルブランドやカヌー教室などで使っていた。“「GEAR LIFE」~大自然と都会の共存~”をコンセプトに、カヤック、トレイル、ベースキャンプの3つのカテゴリーで、機能性を備え、ファッション性の高いアイテムを木村と共に開発。アウトドアライフに共感を持ち、ファッションにこだわりのある健康志向の都会人をターゲットにする。ユニセックスでキッズも展開し、価格はカットソーが3800~1万1800円、アウターが1万3000~4万9000円、シューズが6000~9000円、受注生産のマウンテンブーツが12万円、鞄が1300~3万8000円、雑貨が3800円~。来年3月には、河口湖オルゴールの森美術館の近辺に直営店を出店する。
木村は「ハワイに行くと、アロハシャツを買うように、河口湖に行くと『ファイブレイクス・アンド・エムティー』の服を買いたくなるようなブランドにしたい」と意気込む。また三陽商会の岩田功・社長は、「ブランドストーリーや背景といった価値やイメージをしっかりと伝え、大事に育てていきたい。これまでの三陽商会とは違うやり方で実験的にトライしていく」と説明する。初回の展示会の反応を見て、売り上げ規模や出店といった今後の計画を立てるとしている。