米百貨店ノードストロム(NORDSTROM)の創業家ノードストロム一族は6月に自社株式の買い戻しによる上場廃止を検討していたが、投資会社のレオナルド グリーン アンド パートナーズ(LEONARD GREEN & PARTNERS以下、レオナルド グリーン)との提携が決まりそうだ。これが決まれば上場廃止が実現する。
ノードストロムは推定5億ドル(約540億円)を投じて、ニューヨーク初となる旗艦店をマンハッタンに建設中だ。また、店舗内に在庫を置かず、常駐するスタイリストを通して他店舗の在庫確認や発注を行うことに特化した業態「ノードストロム ローカル(NORDSTROM LOCAL)」を10月にオープンするなど、新たな取り組みを進めている。上場廃止は株主の意見に左右されず、一族の判断で経営方針を決めることができるというメリットがあるため、このような新たな取り組みが、よりいっそう活発になることが予想される。
レオナルド グリーンとの提携の一報を受けて同社の株価は9月12日の取引終了後の午後4時25分(現地時間)時点で50.25ドル(約5400円)に上昇。これは同日の終値(16時時点)の45.05ドル(約4800円)と比較すると11.5%増となる。
ノードストロム一族はすでに全株式の31%を保有。CNBCによるとノードストロムはレオナルド グリーンから70億~80億ドル(約7500億~8600億円)の資金調達が必要だという。
なお、ノードストロムおよびレオナルド グリーンの経営陣からのコメントは得られなかった。