ジュエリー企業のサダマツは、2018年3月1日をメドに持株会社体制へ移行する方針を12日の取締役会で決定した。サダマツは、ベトナムに製造拠点を構えるジュエリーのSPA企業として百貨店やファッションビル、ショッピ ングセンターを中心に現在国内80店舗、海外6店舗を展開している。
移行の目的としてサダマツは、「事業を取り巻く外部環境が急速に変化している中、当社グループのパフォーマンスを維持・向上させつつ、さらなる企業価値の向上を実現するためには、本社改革を中核としたグループ全体の構造改革により、スピード経営に柔軟に対応できる組織体制への移行が不可欠。そのような観点から、グループ戦略機能を担う持株会社と戦略を実行する事業会社を分離し、持株会社によるグループ全体を見据えた最適な視点での経営資源配分や事業会社における迅速な意思決定による機動的な事業運営の推進が必要と判断し、持株会社体制へ移行する方針を決定した」という。
貞松隆弥サダマツ社長は、「当社が属する宝飾業界は、地域や所得環境を背景とした消費の二極化に加え、テクノロジーやライフスタイルの変化などを背景とする消費行動や顧客ニーズの多様化が加速度的に進行しており、さらなる付加価値の追求や消費の個別化への対応が求められる。また、ブランドビジネスにおいては、訪日外国人の増加などを背景に国内マーケットもグローバル基準に近づいており、海外で通用するブランドでなければ、今後、日本でも通用しなくなることが予想されるなど、企業競争力の確保としてジャパンブランドの重要性が一段と増している。このような状況のもと、中期5カ年計画で“競争優位性を進化させる”“環境変化にイノベーションで対応する”“ベースを固め経営基盤を強化する”の3つの基本方針を事業の中核と位置づけ、基本方針に基づく重要な施策として、ブランドの強化、本部機能の強化を推進する」としている。
ブランドの強化では、サダマツの主力商品である“ウィッシュ アポン ア スター(WISH UPON A STAR)” を主軸としたプロモーションをはじめ、アパレルやアクセサリー、バッグブランドといった異業種や他社ブランド、精神価値を追求する媒体とのコラボレーションを通じた“ウィッシュ アポン ア スター” の認知度を向上させる取り組みを推進する。
また、3月に銀座中央通りに「フェスタリア ビジュソフィア ギンザ」をオープンし、グローバル旗艦店としてアジア本格展開への試金石と位置付け、インバウンド需要やブライダル需要の獲得強化に加え、海外に通用するジャパンブランドの確立に向け、経営資源の重点投入を進める。「本部機能の強化では、本社マネジメント機能として、既存分野の店舗展開に加え、成長分野である e コマースや越境型O2Oなど、多彩なチャネルの開拓に対する投資を推進する他、SPA企業としての成長に向けた取り組みを展開している。 SPA企業としてグループの成長を実現するためには、CI(コーポレート・アイデンティティ)を刷新し、コーポレートセンター機能の強化に向けたスキルの高い人材の獲得に加え、これらを有機的に機能させる環境整備が必要」とコメントしている。