ジンズが運営するウエアラブル・アイウエア「ジンズ・ミーム(JINS MEME)」は、新規事業として“集中”をテーマにしたワークスペース「シンク ラボ(THINK LAB)」をオープンする。オープンは12月1日を予定しており、場所はジンズオフィスの一部(東京都千代田区富士見2-10-2飯田橋グラン・ブルーム29階)。個人用デスクを153席、プライベートスペースを8部屋用意する。ジンズ社員の他、一般企業の社員にも月額有料の会員制で貸し出すという。料金は未定。
「シンク ラボ」の大きな特徴は神社仏閣をイメージして作られたという構造だ。「集中に必要なものは適度なリラックスとストレス。一見相反するような二つの要素を組み合わせることでゾーン(超集中状態)に入ると心理学ではいわれている。そのヒントは神社仏閣にある、ということに思い至った。つまり鳥居をくぐる時に緊張し、暗くせまい参道を通り、開けた場所で手水を使うことでリラックスする。その後、オフィスでの仕事に当たる拝礼、本殿へと至る。これが集中のウォームアップへとつながると考えた」と「シンク ラボ」のコンセプトを統括監修している予防医学研究者の石川善樹は語る。「ただ集中するための作業部屋をオフィス内に作っても意味がない。大切なのは集中へのステップ」だという。その神社仏閣の構造を建築家、藤本壮介が「シンク ラボ」の空間デザインに落とし込んでいる。神社の鳥居に当たるエントランスから、参道に当たる石畳のアプローチ、手水の場所に当たるエントランス、そして拝礼に当たる作業に応じて用意された集中空間、という構造になる予定だ。その他、集中状態を生み出すための要素として植物、光、音、椅子、飲食、運動などの要素も取り込んでいくという。
今回の「シンク ラボ」オープンは「ジンズ・ミーム」使用者数千人の集中に関する調査結果を受け、企画された。同調査によると人が集中できている時間は午前7時前後の朝方や午前1時前後の深夜帯。意外にも9時から20時までの間、人は集中できていないという。田中仁ジンズ社長は「調査結果に正直ショックを受けた。これはつまり、オフィスでは人はあまり集中できていない、ということ。社内でコミュニケーションは取れているのかもしれないが、それ以上に集中して仕事をする環境が必要なのではないか。そんな思いから生まれたのが『シンク ラボ』。ジンズは“マグニファイ・ライフ(=人々の生活を拡大し、豊かにすること)”をビジョンに掲げ、メガネの先にある可能性を追求している企業。今回のプロジェクトもその一端を担うものになる」と語った。