2015年に始動したイタリア発のメンズブランド「スンネイ(SUNNEI)」が日本で好調だ。デザイナーの2人にアパレルデザインの経験はなく、ロリス・メッシーナ(Loris Messina)は「グッチ(GUCCI)」のVMDや有名フォトグラファーの元アシスタント、シモーネ・リッツォ(Simone Rizzo)はセレクトショップの元バイヤーという異色の経歴を持つ。テーラードを軸にした上品なカジュアルスタイルは、素材や色使いによって軽快さが加わり、少年のようにクリーンでノスタルジック。服作りのキャリアはなくとも、現在のメンズのトレンドを的確につかむセンスの高さがうかがえる。
日本の卸先は15店舗。その中で2人が「ベストショップ」と語る東京・神宮前のセレクトショップ、グラフペーパー(GRAPHPAPER)で開催したポップアップイベントに合わせて来日した。「日本で売れている理由を探しにきた」と初来日の理由を語る気鋭のデュオは、その答えを見つけられたのだろうか。
WWDジャパン(以下、WWD):「スンネイ」を立ち上げたきっかけは?
シモーネ・リッツォ=デザイナー(以下、リッツォ):3年前に2人で1カ月ほどニューヨークを旅行した際、これまでお互いが関わってきたファッションや小売業について話し合った。そのうち、自分たちが生まれ育ったイタリアの優れた素材や工場で、僕たちならではの“メード・イン・イタリー”ができると気付いたんだ。デザイナーとしてのバックグラウンドはないけど、僕たちのキャリアを生かせばファッションブランドを運営できる−−そう確信して「スンネイ」をスタートした。
WWD:ブランドのコンセプトは?
ロリス・メッシーナ=デザイナー(以下、メッシーナ):特に決まりごとは作っていないけど、僕たちの人生そのものからインスピレーションを得ている。あとは世界中にいるアートやグラフィック系、DJなどの仲間からも影響を受けているよ。
リッツォ:メゾンブランドのように、シーズンごとのテーマは設けないようにしている。ランウエイショーをやっているけどルックで提案したいわけではなくて、個々のアイテムを自由に着てもらいたい。「スンネイ」は僕たち自身だから、人生とともに成長していくブランドでありたいんだ。
WWD:2人の役割は?
リッツォ:クリエイティブに関しては、自然と考えが一緒になるから特に分ける必要はない。すごく細かく言えば、僕はマーケティングやコミュニケーション関連、ロリスはプロダクションを見ていることかな。
メッシーナ:「スンネイ」をメーンに活動しているけど、他にもイタリアのクラシックなブランドのデジタルコミュニケーションやマーケティングのコンサルも2人でやっているよ。