ファッション

パリの大型素材見本市がグローバルECサイト 高級ファッション素材も本格的なEC時代に

 世界最高峰のファッション素材見本市の一つである「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION)」は来年後半にも、世界中のブランドやデザイナーを対象にしたeコマースサイトをスタートする。今日19日に開幕した同見本市の会見で明らかにした。ファッション素材は高級品分野もサプライヤーとバイヤーがともに、欧米や日本だけでなく中国やトルコ、インドなどに分散しはじめている。1900社以上が出店し、100カ国以上からプロのファッション業界関係者が来場する「プルミエール・ヴィジョン」がECサイトを始めることで、「ファーフェッチ(FARFETCH)」やLVMHグループによる自社ECサイトといったBtoCに加え、BtoB向けのファッション素材の分野にも高級品市場のEC化が一気に進みそうだ。

 9月と2月にパリで開催される「プルミエール・ヴィジョン」は、テキスタイルを中心に、ファスナーやボタンなどのパーツ、糸、プリント図案、レザー素材などファッションに関わるサプライヤーが世界中から集まる総合見本市で、総出展者数は約1950社に達し、来場者は世界100カ国から約6万人が訪れる。今日19日から21日まで、2018-19年秋冬向けのアイテムを紹介する見本市をスタートしている。イタリアや日本、フランス、ドイツ、トルコ、中国などの有力なサプライヤーが厳しい審査を経て出展し、トレンド情報の編集と発信にも力を入れているため、世界で最も有力な素材見本市と言われている。

 ECサイトは、新たにグループ企業としてプルミエール・ヴィジョン・デジタルを設立。フランス企業のクラウド型のデジタルマーケットプレイス「ミラクル(MIRAKL)」を活用し、中長期的な目標として1500社のサプライヤーの出展、7万アイテムの出品を計画する。「プルミエール・ヴィジョン」は、世界の有力企業やデザイナーなどの25万人分のバイヤーのデータベースを有しており、彼らに参加を呼びかける。BtoB向けのECのマーケットプレイスでは、先行して中国のアリババが巨大なECを構築しているが、「プルミエール・ヴィジョン」はトレンド情報や分析力、編集力を生かして、全く別のタイプのECサイトを構築すると見られる。

 ジル・ラスボルド(Gilles Lasbordes)=「プルミエール・ヴィジョン」ジェネラル・ディレクターは、「プレなどを含めたコレクションや、インターネットによるつながり、それによってできるコミュニティなどファッション産業も進化を遂げてきた。今回のローンチはその進化に追随するための新しいイニシアチブであり、アドベンチャーだ」と語った。

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