ファッション

日本のエイガールズが世界一のテキスタイルメーカーの栄冠 パリの素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」で

 9月19日、パリで世界最高峰の素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(Premiere Vision以下、PV)」が開幕した。世界57カ国から全1954社が出展し、21日まで2018-19年秋冬向けの素材を展示する。ファブリックを中心に、糸、レザー、アクセサリーなどテキスタイルに関わる様々な企業が一堂に集う。初日にはPVが主催するテキスタイルアワード「PVアワード」があり、本社を東京に置き、和歌山を拠点にニットを生産するエイガールズがグランプリを受賞した。審査委員長を務めた俳優のジョン・マルコヴィッチ(John Malkovich)は「審査員全員が非常に難しいテクニックが要求され、しかもとても美しいこのテキスタイルにグランプリを贈ることで意見が一致した」と授与理由を話した。

 エイガールズが受賞したテキスタイルは、表面に資材用の8ゲージのポリエステル糸、裏面に32ゲージのコットンを使用して編み合わせたもの。「ポリエステルの糸の光沢感とドレープ感に惹かれ、なんとかこれを形にできないかと考えた」と尾崎孝夫エイガールズ取締役企画部長。日本に数台しかない編み機でゆっくり編み上げ、表面にハリ感とドレープ感を出しつつも、裏面はコットンで肌当たりの良い生地に仕上げた。尾崎取締役は「自社だけでなく、アイデアを形にしてくれる工場の人たちのおかげで今回の賞を受賞することができた。これからも日本の素晴らしいテキスタイルを世界に発信していきたい」と語った。

 PVアワードは、出展者全1954社の中から独創的で優れたテキスタイルとレザーのメーカーに贈られるもので、グランプリの他、風合いを評価する「ハンドル(HANDLE)賞」、創造性を評価する「イマジネーション賞」で構成され、今回はグランプリに加え、「ハンドル(風合い賞)」でも北陸地方を拠点とするV&Aジャパンが受賞した。日本企業としては2013年に小松精練がグランプリを受賞するなど、日本のテキスタイルメーカーは世界でも高く評価されている。

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