ファーストリテイリング傘下のユニクロは、今年で発売15周年になる“ヒートテック”の新作を発表した。2003年の発売開始以来、素材大手の東レとの共同開発を続けてきたが、17年度で累計10億枚を突破する。國井圭浩ファーストリテイリンググループ上席執行役員は「“ヒートテック”は究極の普段着=“ライフウエア”を掲げるユニクロを象徴するアイテム。“もっと軽く、もっと暖かく”と、着心地の追求で世界の冬の生活を変えた、イノベーションウエアとしての自負がある」と語った。17年度は首周りと袖の縫製をなくしたシームレスタイプ(メンズのみ)と、極暖(エクストラウォーム)と超極暖(ウルトラウォーム)の着心地をさらに高めたバージョンを新たに投入。さらにキャンペーンとして地域の企業・団体や学生など100万人に無料で配るキャンペーンも行う。
記者会見のゲストとして登場した女優の佐々木希は「私も昔から愛用しています。昔は冬場の外のロケの時に最大で“ヒートテック”4枚を重ねて着していたことも(笑)。けど、極暖のような新商品の登場で着ぶくれせず、薄いからこそファッションをより楽しめるようになった」と語った。
“ヒートテック”は、戦略的な提携関係にある東レが、原糸から生地、縫製まで一貫して開発と生産を担い、中国に加え、10年からベトナム、11年からバングラデシュ、12年からインドネシアで縫製を開始するなど、東レのグローバル生産を拡大。さらに膨大な量の生産管理のためRFID(無線タグ)を店頭に先んじて導入するなど、商品開発だけでなく多岐にわたるイノベーションを実施している。