グラフィックTシャツが現在ストリートを中心にブームとなっている。そのブームの中で着実に人気を得てきたのが、ロサンゼルス発の「ブレインデッド(BRAIN DEAD)」だ。同ブランドの特徴は、カットソーやキャップなどに施された独特の色使いやモチーフのグラフィック。そのグラフィックが評価され、日本では現在ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)を筆頭にビームスT(BEAMS T)、エイチ ビューティー&ユース(H BEAUTY & YOUTH)、サプライ トウキョウ(SUPPLY TOKYO)、仙台のデリシャス(DELICIOUS)5店舗で期待の新鋭ストリートブランドとして取り扱われている。2018年春夏シーズンの展示会に合わせ来日したデザイナーのカイル・イン(Kyle Ng)に「ブレインデッド」のビジネス論やデザインのインスピレーション源、ブランドの今後について尋ねた。
WWDジャパン(以下、WWD):「ブレインデッド」の立ち上げの経緯は?
カイル・イン(以下、カイル):2014年に、グラフィックデザイナーのエド・デイヴィス(Ed Davis)と始めたんだ。僕は元々「アーバン・アウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)」などのブランドをいくつか手掛けていたんだけど、企画の1つとしてエドのグラフィックを使って何かできないか、と考えたのが「ブレインデッド」の始まりだった。
WWD:エドとはどうやって出会った?
カイル:インターネットだね。エドも自分のブランドを持っていて、僕がネットで見つけた。それでメールで連絡して実際に会おう、ということになった。
WWD:「ブレインデッド」はファッション以外にも、カセットテープを販売するなど、さまざまな活動を行っているが、その理由は?
カイル:服を作っている以上、カテゴリーとしては服屋、というジャンルにくくられるし、それにとらわれがちだけど、僕たちとしては服屋という感覚とはちょっと違う。音楽やアート、カルチャーが好きだから、ブランドにもそういった側面を取り入れていきたい。その一環でカセットテープやビジュアルブックの制作にも力を入れている。
WWD:商品ができるまでの過程は?
カイル:まずはエドがシーズンテーマとなるグラフィックを決めて、僕にプレゼンをする。そのプレゼンの中でこうした方がいいんじゃないか、と僕がフィードバックをして1つのグラフィックができあがっていく。エドが作るグラフィックがブランドの一番の強みだけど、他ブランドと差別化するためにはどうすればいいか、というのを僕のセンスで考えて形にしていく。
WWD:ライバルとして意識しているブランドはある?
カイル:強いて言うなら「シーイー(C.E.)」「ノー・ウェーブ(KNOW WAVE)」とかかな。アパレルとしてというよりも、音楽とかのカルチャーを取り入れている、という点で。