ニッセンケン品質評価センターは27日、国際的な繊維製品の安全基準である「エコテックス」の普及に貢献した国内企業を表彰する「ジャパン・エコテックス・アワード2017」を汐留のコンラッド東京で開催した。ノミネート企業に選出された37社の関係者など約140人が出席した。
グランプリはYKKが受賞。プレゼンテーターを務めたニッセンケン品質評価センターの駒田展大・理事長は「20年という長いエコテックス認証の取得年数や幅広い商品での取得、世界中の企業に認証製品を提供していること、真摯なモノづくり、安心・安全に対する姿勢を評価した」と選考理由を話した。その他、「WWDジャパン」賞には旭化成、ビジネスガイド社ギフト・ショー賞にはイケウチオーガニック、マガジンハウス社「ハナコママ」賞にはユニ・チャーム、繊研新聞社賞にはカイハラ産業、エコテックス国際共同体賞にはセイコーエプソンが選出された。
「WWDジャパン」賞を受賞した旭化成は、4製品でエコテックス認証を取得しており、中でもキュプラ繊維「ベンベルグ」が有名。登壇した旭化成の結城康式・繊維事業本部技術企画部担当課長は、「『ベンベルグ』はまもなく製造100周年を迎えるが、当初から環境に配慮した製造に取り組んできた。今回の受賞は、長年の取り組みが評価された結果だと考えている。今後も『世界の人々のいのちと暮らしに貢献する』というスローガンの下、活動に取り組んでいきたい」と話した。
エコテックスは、糸、生地、衣類といった繊維製品の他、皮革や生産工程でも安心・安全、環境保護、労働環境などの厳しい基準をクリアした製品や企業に与えられる認証制度。認証件数はこれまでに世界約100カ国、延べ16万件以上に上る。日本ではニッセンケン品質評価センターが認証機関窓口として、2000年の設立以来、延べ4000件以上の認証を発行している。