三越伊勢丹ホールディングスは28日、伊勢丹松戸店(千葉県)を2018年3月21日で閉鎖すると発表した。同店は1974年に松戸駅前に開業し、ピーク時の96年度には売上高336億円を誇っていたが、2000年以降に周辺に相次いで開業した大型ショッピングモールとの集客競争に苦戦するようになり、近年は赤字が恒常化していた。13年に大規模な改装を実施したが、効果は限定的で黒字化を達成することはできなかった。16年度の売上高は181億円まで縮小していた。
伊勢丹松戸店を巡っては、今月初め、松戸市が4階の一部を約10年間、計21億円で賃借し、市の関連施設として活用する予算案を提出。駅前の空洞化を防ぎたい松戸市の事実上の支援策だった。だが、松戸市議会では「一企業の支援のために公金を投入するのは、市民の理解が得られない」との声が多勢を占め、予算案は退けられた。このことから撤退の可能性が高いと見られていた。
同社は今年3月に三越千葉店を閉鎖しており、伊勢丹松戸店の閉鎖によって千葉県内から三越伊勢丹の百貨店はなくなることになる。