三陽商会の2017年7~9月の紳士服売り上げは、前年同期比7%減と振るわなかったものの、EC・通販に関しては、同20%増と躍進した。
7~9月の伸び悩みを受け、同社の荒居徹・取締役兼常務執行役員事業本部副本部長は、「2018年春夏シーズンは、従来以上に商品価格帯に幅を持たせる。上顧客に対して10万円台のプレミアムなレザージャケットなどを用意する一方で、生産背景を縮約し、中・低価格商品を2~3割値下げする。また、気候変動に対応するために、薄手のアウターを強化する」と語った。
その中でも「ザ・スコッチハウス(THE SCOTCH HOUSE)」は前年同期比1%増(17年7~9月)と好調に推移した。特にジャケットが同10%増、カットソーが同17%増とけん引。18年春夏は、アイコンの柄“ハウスタータンチェック”を訴求し、売り上げ拡大を目指す。機能スーツが人気の「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」は、インバウンドからの支持が高いスポーツテイストの機能服「ブリテック(BRITEC)」シリーズの消化率が、前年同期比の5倍と好調で、全体では同5%増(17年7~9月)で着地した。これまでボトムスの売り上げは、自宅で洗えて、シワにならない機能スーツの代名詞「トロッター(TROTTER)」シリーズのスラックスが中心だったが、18年春夏は、スーツ以外のバリエーションを増やし、ボトムスの売り上げを1.5倍に伸ばす狙いだ。「ポール・スチュアート(PAUL STUART)」は、同(プロパー)120%(17年7~9月)と伸長。中でも、ジェットセッターに向けた「スチュアーツ トラベラー(STUART’S TRAVELER)」という機能性ラインが支持された。18年春夏は、新たにセットアップを商品化し、打ち出す。
一方で、「エポカ ウォモ(EPOCA UOMO)」は実需に特化したシャツが好調に動いたものの前年並みで着地した。18年春夏はニット、カットソー、シャツの構成比を現在の35%から40%超に増やす。「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」は同10%減(17年7~9月)だったが、生地メーカー、ロロ・ピアーナの“ストームシステム”や“レインシステム”といった機能を有した高級生地を採用し、飛躍を目指す。