ファッション

ECで2000点以上を取り扱い、「トム ブラウン」新CEOが語るグローバル戦略

 米トム ブラウン社は昨年3月、米国投資ファンドのサンドブリッジ・キャピタルと資本提携を結び、ストライプインターナショナルのグループ会社だった以前から経営体制を一新した。現在、同年5月に就任したロドリゴ・バザン(Rodrigo Bazan)最高経営責任者(CEO)が中心となり、グローバル戦略を推進している。16年末から北京、ニューヨーク、ミラノ、ロンドンなど12カ所に出店し、直営店舗数は26店に急増。会社全体の売上高は前年の同時期に比べて25%増となった。今後も中国や韓国、そして日本にも出店する予定だという。さらに8月に本格始動した自社ECの強化や、ウィメンズの発表をニューヨークからパリに移した理由、パリのセレクトショップ、コレット(COLETTE)2階で行われているポップアップストアについてバザンCEOが語った。

WWDジャパン(以下、WWD):昨年5月に現職に就任した際のミッションは?

ロドリゴ・バザン(以下、バザン)CEO:最大のゴールは、ブランドのDNAを失わずに成長させること。そのために皆でアイデアを出し合って、デジタルやマーケティング戦略を練ることに集中した。これまで顧客に対しての直接的なアプローチが十分できていなかったので、まずは出店やECで世界中に拡販することからスタートした。

WWD:積極的な出店は今後も継続させる?

バザン:日本も含めて出店を計画しているが、昨年末からのペースに比べると、来年はやや抑えめになる。その分、既存店の強化に注力したい。また8月からホームページ内にECモール「ファーフェッチ(FARFETCH)」のプラットフォームを導入してECを本格始動した。将来的にはECの取り扱いアイテムをプレコレクション1600点、ランウエイピース500点程に拡充する予定だ。現在は店舗でしか見られないアイテムも多いが、実現すればほとんどのコレクションを世界中の人がECで購入できることになる。

WWD:「トム ブラウン」の絶妙なサイズ感をECでどう提案する?

バザン:確かに、オンラインで「トム ブラウン」のサイズ感を提案するのは簡単なことでない。しかし大事なのはまずプロダクトのイメージを世界に発信すること。その後、ジャケットのフィット感やパンツの丈感をデジタルで表現することに挑戦しなくてはならない。

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