「H&M」が今日10月5日、オンラインで対照的な2つの注目コレクションを発売した。一つは「サステイナビリティとモダンビンテージスタイルの融合」と銘打つ、“H&M クローズ・ザ・ループ・デニム(Close the Loop Denim)”コレクション。もう一つは“H&M デザイン・アワード”で優勝したデザイナー、リチャード・クイン(Richard Quinn)によるコレクションで、商品ラインナップや活動の幅広さを如実に著したものになっている。
“H&M クローズ・ザ・ループ・デニム”は、世界で展開している古着回収サービスで集められた衣服から再生されたサステイナブルコットンで作ったラインで、4回目の今回は、エッセンシャルなデザインで、ブラックのオーバーオールやフレアパンツ、前開きジップアップタイトスカート、Gジャン、ブルーのテーパードスリム、ダメージワイドのウィメンズ6型を用意。
アン・ソフィー・ヨハンソン(Ann-Sofie Johansson)=クリエイティブ・アドバイザーは「最近、ストリートスタイルやソーシャルメディア上でよく目にするビンテージデニムから着想を得たもの。古着回収サービスで集められた衣服から再生されたコットンが使用されることに喜びを感じている。さらならに進歩させていきたい」とコメント。
「H&M」のリサイクルまたはサステイナブルな素材の使用は、2016年現在で26%、2030年に100%を目指す。中でもリサイクルまたはサステイナブルなコットンについては、現在すでに43%に達しており、これを3年後の2020年までに100%に切り替えることを目標として掲げている。
一方、“H&Mデザイン・アワード”優勝者のクインによる商品は、60年代の室内装飾用テキスタイルやクチュールシルエットなどが特徴のファビュラスなコレクション。こちらもオンライン専用ながらも、セントラル・セント・マーティンを卒業したロンドン出身のクインにあやかって、オックスフォードサーカスのロンドンフラッグシップストアで世界限定販売する。
デザイン・アワードの審査委員長も務めたアン・ソフィーは「リチャードのコレクションはクリエイティビティ、技術力、倫理的思考が見事に融合し合い、ファッションフォーワードでありながら身に着けやすく、魅力ある素晴らしいコレクションとして完成しました」と説明。
リチャードは「コレクションの制作では、自分の美意識に忠実であり続け、個性を和らげたりしないようにと『H&M』からアドバイスを受けた。人々が着たいと思うインテリジェントなアイテムを作りたかった。それが成功したと思う」と満足げだ。
花柄のバルーンドレスやスパンコールでハウンドトゥース(千鳥格子)チェックを施したトップス&レギンス、サテンジャケット、ベロアのトップス&レギンス、トレンチコートなど、さらにはフェティッシュさとエレガンスさが融合したサイハイブーツやロンググローブなど、遊び心とハッピーなムードが満載だ。