仏シューズブランド「ロベール クレジュリー(ROBERT CLERGERIE)」は9月、ブランド名を「クレジュリー(CLERGERIE)」に改称した。ビジネスとクリエイティブのトップも刷新し、好スタートを切った。ビジネスの陣頭指揮をとるのは「ブルガリ(BVLGARI)」「プラダ(PRADA)」「グッチ(GUCCI)」でブランド・マネジメントやインターナショナル・ディベロップメントなどを担当してきたペリー・オースティング(Perry Oosting)最高経営責任者(CEO)。クリエイティブ・ディレクターには「メゾン マルジェラ(MAISON MARGEILA)」「クロエ(CHLOE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」など数々のメゾンでシューズを手掛けてきたダヴィッド・トゥルニエール・ボーシエル(David Tourniaire-Beauciel)が就任した。ロゴは筆記体から、過去に使用していたブロック体のシャープなデザインを復刻している。
ダヴィッドが手掛ける2018年春夏コレクションは、ブランドのアイデンティティーである「マスキュリンとフェミニンの融合」をベースに、レザーにラフィアやストレッチデニムなどの異素材をミックスしたデザイン。ソールにはクッション性のある低反発のメモリーフォームを目立たないように入れるなど、デザイン性だけでなく、履き心地も重視している。
これまで職人技を生かしたベーシックなアイテムを多く展開してきたが、今季はアイコニックな商品を残しながらも、素材とデザインの幅を広げた。
プレゼンテーションでは、ブランドのクラフツマンシップを伝えるため、自社工場で働く職人たちの写真を展示。写真家のフレッド・メーラン(Fred Meylan)が撮影し、彼のスタジオを会場に展示会を開いた。
実はダヴィッドは「クレジュリー」の工場のある町の出身。父親がその工場の機械工として働いていたこともり、幼い頃から創業デザイナーのロベール・クレジュリー(Robert Clergerie)本人と面識があるという。「幼いころから身近にあった『クレジュリー』は僕の“人生”と言えるもの。今回、ブランドの持つDNAとヘリテージを生かしながら新しいアイデアを加えていく。ファッション性、新素材、美しいシェイプ、履き心地、職人技の全てを備えて、本当に作りたい靴を真剣に作っていく」と語った。