ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催中の展示企画「アイテム:ファッションはモダンか?(Items: Is Fashion Modern?)」に、「ユニクロ」のコラボラインの一つ、「ハナ・タジマ フォー ユニクロ(HANA TAJIMA FOR UNIQLO)」のアイテムが選出された。過去1世紀に世界の芸術と文化に大きな影響を及ぼした、20世紀から現代を象徴する衣服・宝飾品111点を展示する中、吸汗速乾、通気性、接触冷感、滑らかな肌触りなどが特徴のエアリズム素材にプリントを施したストールと、インナーヒジャブが選ばれ、「解放 / 慎み / 反乱」と題されたセクションに展示されている。
ハナ・タジマは、日本にルーツを持つ、英国育ち、ニューヨーク在住のデザイナーだ。イスラム教に改宗し、イスラムの伝統を守りながら女性の美しさを引き出す、現代版ムスリムファッションを提案してきた。「ユニクロ」とは2015-16年秋冬から協業し、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアで販売し好評だったため販売エリアを拡大。翌春夏には米国、英国、フィリピンに広げ、“モデスト・ファッション(控えめなファッション)”として話題を呼んだ。現在では15カ国。地域で扱っている。
ハナ・タジマは今回の朗報に、「従来の美しさの基準に一石を投じるようなコレクションをデザインしたいと思ってきた。見た目よりも着る人の気持ちを重視した服を作りたいということだ。これまでとは違う美を追求するうえで、素材や機能性にこだわったイノベーションを生み出す『ユニクロ』は、私にとって最高のパートナー。『ファッションはモダンか?』という本展覧会のテーマには、人にとっての衣服の重要性を再確認させるもの。その答えは、従来の美の定義の境界線に位置する、さまざまな思想や文化の接点や、他人や自らの体とのかかわり方に見いだせるのではないか?」とコメントする。
なお、1944年以来となる服飾をテーマとした今回の展示会には、「リーバイス(LEVI'S)」の“501”ジーンズや、「ナイキ(NIKE)」の“エアフォース1”、「シャネル(CHANEL)」の“No.5”の香水瓶、「ジバンンシィ(GIVENCHY)」や「クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)」「ティエリー・ミュグレー(THIERRY MUGLER)」のリトルブラックドレス、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のスモーキングスーツ、「カルティエ(CARTIER)」の“ラブリング”など、永遠の定番が並ぶ。
日本からは「ハナ・タジマ フォー ユニクロ」の他、スティーブ・ジョブズが愛用したことでも知られる「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」のタートルネックや一枚布から作られた“エイポック(A-POC)”、NYメトロポリタンミュージアムでの展示会でも飾られた「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の“ボディ・ミーツ・ドレスードレス・ミーツ・ボディ”のドレス、「ミキモト(MIKIMOTO)」の真珠チョーカー、「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」のスーツや「Y-3」のウエア、廣川玉枝が手掛ける「ソマルタ(SOMARTA)」の無縫製ニット“スキン”シリーズ、舘鼻則孝の「ノリタカ タテハナ(NORITAKA TATEHANA)」のヒールレスヒールブーツ、さらには、ネイルチップやマスクなども選出されている。会期は10月1日から来年1月28日まで。