オンワードホールディングスの2017年3~8月期は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比2.7倍の14億円だった。不採算事業の整理などで売上高は同3.4%減の1154億円だったが、「23区」などオンワード樫山の国内事業が堅調だったことと、EC事業が急伸したことで、収益性が大幅に回復した。福岡支店の土地・建物の固定資産売却で特別利益を計上したため、純利益も同46.7%増の22億円になった。
「チャールズ&キース(CHARLES & KEITH)」「クルーンアソング(CROON A SONG)」など撤退ブランドが54億円の減収要因になったものの、その影響を除く既存事業ベースの売上高は同1.1%増だった。主力子会社のオンワード樫山は、百貨店の閉店ラッシュという逆風の中、基幹ブランドの売上高で「23区」が同1%増、「自由区」が同2%増、「組曲」「ICB」が前年並と踏ん張りをみせた。売り上げ動向に応じて期中生産を増やしたり、百貨店で行っていた催事による値引き販売も抑制したりしたため、プロパー消化率も改善した。また、グループのブランドを集めた自社ECモール「オンワードクローゼット」がけん引する形で、EC売上高は同40%増の86億円に伸びた。
一方で海外事業は12億円の営業赤字(前年同期は3億円の営業赤字)に陥った。欧州ではライセンスブランドや「ジル・サンダー(JIL SANDER)」の卸売りが苦戦し、「ジョゼフ(JOSEPH)」のコレクションラインも不振に終わった。
通期(18年2月期)は売上高2393億円(前期比2.3%減)、営業利益57億円(同35.6%増)、純利益53億円(同11.7%増)を計画する。