J.フロント リテイリング(JFR)の2017年3〜8月期(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比24.1%増の266億円だった。売上高に相当する売上収益は同6.0%増の2345億円。主力の百貨店事業でインバウンド(訪日外国人)消費が急伸した他、4月に開業した大型商業施設ギンザ シックス(GINZA SIX)による不動産賃料も寄与した。純利益は同17.8%増の163億円だった。
中核会社の大丸松坂屋百貨店は売上高(総額売上高)が同1.8%増。中価格帯の衣料品などボリュームゾーンは引き続き低迷しているが、インバウンドによる免税売上高(総額売上高)が前年同期に比べて1.5倍の200億円に跳ね上がり、株高を受けた富裕層の購買も好調に推移した。インバウンドは西高東低で、免税売上高のうち大丸心斎橋店が半分強を占める。衆院選で争点の一つになっている消費税の増税についても、山本良一・社長は増税の影響を受けない免税売上高を重視する。「起こりうることを想定して店舗の損益分岐点を下げるとともに、主力店でインバウンドの売り上げをしっかり取ることが重要なファクターになるだろう」。
通期(18年2月期)は、売上収益4720億円(前期比4.3%増)、営業利益490億円(同17.4%増)、純利益285億円(同5.4%増)を見込む。