パリ・ファッション・ウイークの取材を終え、帰国しました。ショーで見たルックを振り返りながら、今季の傾向をまとめていると、“黄色”をよく見かけたことに気がつきます。明るくエネルギッシュなレモンイエローから、やさしげなクリームイエローまでさまざま。ミラノコレとパリコレの両方を取材した編集長の向も、「ミラノでも“イエロールック”をたくさん見かけた」と話していました。
その“イエロー旋風”はパリコレ序盤から顕著でした。2日目に取材した新アーティスティック・ディレクターのコロンブ・カンパナ(Colombe Campana)が就任後初のコレクションを見せた「タラ ジャーモン(TARA JARMON)」では、赤や黄色、緑などのビタミンカラーをふんだんに取り入れていました。「タラ ジャーモン」と言えば、映画「ラ・ラ・ランド」のオフィシャルパートナーとして今年の春、エマ・ストーン(Emma Stone)演じる主人公のミアが着用していた衣装から着想した商品を展開していたブランド。まさに来春も「ラ・ラ・ランド」をほうふつとさせる黄色ががあふれる模様です。
バンドが演奏する中、モデルが自由に元気一杯のダンスを見せた「ツモリチサト(TSUMORI CHISATO)」でも、素敵なイエロードレスを発見しました。ポップなアップリケ風刺しゅうが施された透け感のあるロングドレスは、フラッグチェックのパンツを下に重ねて、柄を透かして見せるスタイリング。ちなみに、このフラグチェックもさまざなブランドで見かけた今季注目の柄の一つです。
黄色は派手な色なゆえ、着こなしの難易度は決して低くはありません。けれどポイントで差し色に、という着方よりも今季は主役のアイテムとして取り入れたいもの。来春、レイヤードなどの着こなし方の工夫で、どのように取り入れられるのかに注目したいものです。