大丸松坂屋百貨店はインバウンド施策を強化する。同社の3~8月期の免税売り上げは前年同期比で52%増の200億円。中国人の「爆買い」が話題となった2015年上期の免税売り上げ181億円を上回っており、通期ではインバウンドで400億円の売り上げを見込むなど、好調に推移している。特にインバウンド売り上げの伸びが大きい大丸心斎橋店では、それまで化粧品フロアのみの導入だった中国アリババグループの運営する決済システム、「アリペイ」を全館に拡充。さらにアリペイでの購入時、今まではアイパッドで情報を取り込んでからレジへ持っていく、という2段階の工程が購入時に必要だったが、それを1オペレーションに変更した。
好本達也・大丸松坂屋百貨店社長は「徐々に中国人のリピーターが増えてきている印象。インバウンドの中心である中国人向けの施策をいろいろと行ったことで9月の免税売り上げは上期の伸び方を上回っている。目標である400億円をさらに超えられそうだ」と期待を見せる。「アリペイ」導入を開始した昨年9月時点では3800万円だった同システム上の売り上げは現在6億円。同館のインバウンド売り上げの17%のシェアを誇る。
大丸松坂屋百貨店全体のインバウンドに関して、客単価は前年同期比6%増、客数が同44.1%増。全体の免税売り上げの28%のシェアを占める大丸心斎橋店の売り上げは同10.8%増。19年秋には本館の建て替えを予定している。