アメリカのコーチ・インク(COACH INC.)は10月31日、企業名をタペストリー・インク(TAPESTRY INC.)に改称する。タペストリーとは、室内の装飾に用いられる織物。クリエイティビティーとクラフツマンシップ、正当性、そして多様性など、社内で重んじる価値観を尊重するための改名のようだ。英語の「タペストリー(tapestry)」は多様性を表現するとき、比喩的に用いられる。
ビクター・ルイス(Victor Luis)最高経営責任者(CEO)は近年の「スチュアート ワイツマン(STUART WEITZMAN)や「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」の取得により、会社はモノブランド企業から「エモーショナルなブランドの集合体」に進化していると主張。こうした事情と尊重すべき価値を表現する社名を考えていたという。命名に際しては、エージェントの協力も仰いだ。
ルイスCEOは、「タペストリーという名前は、会社のブランドポートフォリオが広がったり、それぞれのブランドが新たなカテゴリーや市場に進出したりするとともに成長するだろう。名前は消費者第一のビジネスとクリエイティビティ、そしてグループの歴史などを包括している。何より重要なのは、我々は確固たる企業アイデンティティを構築していること。それぞれのブランドが個性的でユニークな、消費者に届けるべきアイデンティティを有している」と話す。