ファッション

「マルジェラ」のガリアーノ抜擢効果は吉と出たか、凶と出たか?

 今、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)はハッピーだ。ディーゼル(DIESEL)の創業者でもあるレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB社長は昨年、ファッションワールドで忘れられた存在になっていた孤独なデザイナーを救いだし、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)(以下、マルジェラ)」のクリエイティブ・ディレクターに据えたのだ。当初は“奇妙なカップル”に見られた「マルジェラ」とガリアーノだが、スタートしてみれば、なかなか有効な化学反応を起こしたようだ。

 レンツォ・ロッソ社長は、白いシフォンが不気味な幽霊のようにクリスタルのシャンデリアを覆い尽くす「マルジェラ」のショールームでインタビューに応じた。「『マルジェラ』はすっかり生まれ変わったよ。エネルギーが燃え盛っているのが感じられる。マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)はファッション業界のルールを変えたデザイナーだ。ブランドを次のステップに進めるためには特別な誰かを起用することが絶対に必要だった」と語る。

 ロッソ社長は、ジョン・ガリアーノ抜擢という大胆不敵な策が実を結び始めたとあって、ますます意気軒昂の様子だ。

 2009年に創業者のマルタン・マルジェラが去り、デザインチームがコレクションを手掛けていたこの数年間、売上高の伸びは年10〜15%だった。今は30%を超えて急伸しているという。ガリアーノの過去の騒動を理由に「マルジェラ」の取り扱いを止めたショップは1件だけだった。OTBは02年に「メゾン マルタン マルジェラ(1月から「メゾン マルジェラ」)」の過半数株式を取得。子会社のヌフを通して「マルジェラ」をコントロールしている。

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