和コスメブランド「まかないこすめ」は10月、ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP)のロンドン・メリルボーン本店、 チェルシー店、セルフリッジズ店での販売を開始した。イギリスでの取り扱いは初めてで、常設コーナーを設置し和コスメの実力と世界観を広めていく。
石川県金沢市の老舗金箔店で働く女性たちの肌ケア法を起源とする同ブランドは、明治時代から続く知恵を活用した製法や日本の天然由来素材が特徴。国内店舗には訪日客が多く訪れ、現在ではフランスやシンガポール、マレーシア、タイにも進出している。
現在、海外でもっとも取り扱い店舗数が多いのはフランスで、初の海外展開も、2014年に老舗百貨店ル・ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)で行われた日本の文化や食を紹介する企画展「ル・ジャポン・リヴ・ゴーシュ展」への出店だった。日本の伝統文化を背景に生まれたブランドの成り立ちや和素材のやさしいテクスチャー、和紙を使ったパッケージなどが、ジャポニスム人気が根強い同国で支持され、企画展終了後も購入希望の問い合わせが続くなどの反響があったことから、翌15年には常設販売がスタート。現在はル・ボン・マルシェの他、ザ・ジャパン・ストア・イセタン・ミツコシ・パリ(THE JAPAN STORE ISETAN MITSUKOSHI PARIS)、プランタン(PRINTEMPS)などでも取り扱われている。
イギリスのザ・コンランショップ3店では「凍りこんにゃくスポンジ」や「まゆ玉」「金箔入りリップバーム」などの一部商品を取り扱っているが、ブランドの背景やコンセプトなど、日本らしいエピソードやユニークなアイテムはイギリスでも興味を持たれているようで、発売1週間で再発注の依頼が届くなど、反響は上々だ。同社は今後、パリやロンドンでの路面店出店や、ヨーロッパの他の国への進出なども検討している。