米百貨店ノードストロム(NORDSTROM)の創業家、ノードストロム一族は上場廃止を年明け以降に延期する。今年のホリデーシーズンを終えた後に、上場廃止に向けた活動を再始動する計画だ。
同社の株式の30%を保有するノードストロム一族は、6月に自社株式の買い戻しによる上場廃止の検討を開始。9月に投資会社のレオナルド グリーン アンド パートナーズ(LEONARD GREEN & PARTNERS)との提携が目前とされ、上場廃止も間近といわれていた。
レポートによると、ノードストロムは資金調達がうまくいっておらず、また、今年のホリデーシーズンの売り上げが好調となることを見込み、同繁忙期終了後で、ノードストロムに負担にならない方がより銀行や投資会社からの融資も得やすいだろうとしている。同社は資金調達の進捗についてコメントを控えている。
この発表を受け、ノードストロムの16日の株価は13日終値の42.65ドル(約4776円)から一時5.3%減の40.22ドル(約4906円)まで下がった。
インターネット全盛の今日、企業が多く店舗を閉鎖している状況に鑑みると、店舗主体の小売り企業にとっては資金調達が難しい環境だ。しかし、ノードストロムはデジタル化や先進的なサービス、その他のイノベーションに積極的に投資しており、米国屈指の小売り企業とされている。また、店舗数も競合他社に比べて少なく、業績も悪くない。加えて、アウトレット業態も十分に開発されている。ホリデーシーズンの結果がよければ、資金調達もしやすくなるとみられる。
同社は10月26日にアウトレット業態、ノードストロム・ラック(NORDSTROM RACK)のマンハッタン2号店を出店する。また、2018年から19年にかけてマンハッタンに4棟約3万4000平方メートルの旗艦店もオープン予定だ。