ファッション

インスタグラムCEOが語る ワインスタイン・スキャンダルとスナップチャットとメディアの未来

 信じられない話だが、7年前にインスタグラム(INSTAGRAM)はまだ存在していなかった。しかし、今や月間7億のユーザーがインスタグラムに投稿し、企業やブランド、そして個人も画像やメッセージを発信するためのツールとして大いに活用している。

 2012年にフェイスブック(FACEBOOK)に15億ドル(約1680億円)相当でインスタグラムを売却。ケヴィン・シストロム(Kevin Systrom)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)が、10月12日にハーストタワーで登壇したトークセッションのハイライトを紹介する。

米映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)のセクハラ問題について:

 何に驚いたって、まだそんなセクハラが横行しているってことだ。とっくの昔の話かと思っていたが、2017年になった今でも問題は未解決だったなんて。しかし、ケイト・ベッキンセイル(Kate Beckinsale)やカーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)がどんな扱いを受けたかをシェアすることによって、この問題がまだ存在し、未解決で、さらにひどくなっていることに皆が気づくことができた。彼女たちが投稿にインスタグラムを使ったことにも驚いたが、人々がインスラグラムで人生の一部をシェアしてくれることに誇りと希望を感じている。人とシェアできないと感じることの方が、より望ましくない事態だと思う。

インスタグラムの草創期とスナップチャットの興隆について:

 企業というものは往々にして間違いを起こす。成長していれば「いい感じ」と言うし、企業が成長していて、うまく行っている時に「ダメな感じ」とは言いようがないだろう?でも、もし市場の成長の方がもっと速かったらどうだろう?その企業はシェアを失うよね。スナップチャットが登場した時がまさにそうだった。モバイルからの画像の投稿で我々の業績は絶好調だったが、人々がフィードを遡れない投稿を好むことが分かった。それが、人々が本当に望むものを我々が提供できていないというシグナルだった。我々はシェアの方法を自由に判断できるようにし、インスタグラムから消費者が離反しないよう、問題解決に努めた。同時に両方を実現できることは確実だったしね。

メディアブランドの未来について:

 雑誌も新聞もまだまだ生き伸びるだろうし、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)=アマゾン(AMAZON)CEOは「ザ・ワシントン・ポスト」紙を存続させるべく大金を投じている。昔からあるメディアが生き残ることは大事だ。しかし同時に、個人がプレイリストをキュレートし、世界中に発信し、多くの人がそれをフォローしている。私が今選択しているのが、そのキュレーションだ。つまり、人々はかつて持ちえなかった、自らの経験をキュレートできるメディアへと引き寄せられている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。