若手デザイナーの登竜門「2017 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」は18日、渋谷ヒカリエでジョイントショーと表彰式を開催した。アマチュア部門は文化ファッション大学院大学の今村未来さんが大賞を、プロ部門は「キディル(KIDILL)」が東京都知事賞をそれぞれ受賞した。
今回のアマチュア部門では7776点の応募があり、内25人が最終審査にノミネートされた。審査員長を務めたデザイナーの田山淳朗「A.Tアツロウ タヤマ」デザイナーは、トレンチコートを題材に独創的に仕上げた大賞作品に触れ、「ちまたにはリアルクローズという言葉が溢れているが、(この賞を通じて)我々が求めているのが単なるリアルクローズではない。クリエイターによるクリエイティブが込められリアルクローズだ。そういった意味で、大賞作品は非常に優れていた」と総称した。会場には、ファッション専門学校を中心に全国から学生が来場し、ショーを見守った。田山・審査委員長は彼らに向けて「2020年代はすぐそこ。2030年代になったって君たちはまだ若い。未来を見て、焦ることなくクリエイティブを突き詰めてほしい」とコメントした。大賞には、賞金100万円と東京・パリの往復航空券が贈られる。
プロ部門は毎年10人が選出され、最長3年のビジネス支援が与えられる。同日には、10ブランドの中から「キディル」「カピエ(KAAPIO)」「ステア(STAIR)」「ファブリック バイ カズイ(PHABLIC × KAZUI)」「ワイオーエヌ(Y.O.N)」の5ブランドが最新コレクションを披露した。2017年の審査で最高位を獲得した「キディル」の末安弘明デザイナーは、「支援の体制が具体的で充実しているので応募した。日本に勢いあるデザイナーがいることを世界に伝えたい」と意気込みを語った。
「2017 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」は、アマチュア部門を繊維ファッション産業協議会と日本ファッション教育振興協会が共催し、プロ部門を同協議会と東京都が主催している。