「H&M」は10月18日(現地時間)、米国ロサンゼルスで「アーデム × H&M(ERDEM × H&M)」のエクスクルーシブイベントを行った。フラワーモチーフを多用したコラボコレクションの世界をそのままリアル化したかのように、会場は花や緑で溢れ、ロマンチックで甘いムードが漂った。ホワイエではフラワーボードと草花に囲まれたDJプレイでゲストをお出迎え。レッドカーペットには女優のキルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)やケイト・ボスワース(Kate Bosworth)、ケイト・マーラ(Kate Mara)、ゼンデイヤ・コールマン(Zendaya Coleman)、アレクサ・チャン (Alexa Chung)らが登場。日本からはマギー(Maggy)が起用された。
ショーは庭園や部屋などをいくつも通り抜ける長いランウエイを設け、全員がフロントローとなるようにしつらえた。スパンコールで仕上げられたドレススタイルのファーストルックを皮切りに、ジャカード織りのテキスタイルを使ったシリーズや、レースやプリーツをぜいたくに施したシャツやワンピース、ツイードやパジャマのセットアップ、アニマル柄のエコファー・コート、ロゴパーカや素朴なニットなどを披露。今回は「アーデム」として初めてメンズを製作。スーツやスラックス、コートなど英国の伝統を踏襲したテーラードにチャレンジした。黒人やスキンヘッドの個性的なモデルなども多く起用し、ウィメンズとメンズをミックスしたり、男性モデルにウィメンズやアクセサリーを、ウィメンズにメンズを着せるなど、クロスジェンダーやダイバーシティーを意識したショーを見せた。
なお、会場に選んだのは、演劇や授賞式、映画やテレビ、ミュージックビデオなどの撮影などでも使われるスタジオを併設した、ウィルシャーエベル劇場だ。ちなみに、エベルは1894年に女性によって設立された教育慈善団体でもある。
フィナーレ直後には、今回のキャンペーンムービーを手掛ける映画監督のバズ・ラーマン(Baz Luhrmann)があいさつに登場。秘密の花園で繰り広げられる男女の三角関係を描いたショートムービーを公開。抒情的でノスタルジックなテイストと、扇情的で少しフェティッシュなエッセンスをミックスしたスペシャルムービーとなった。
ブーゲンビリアの花垣の奥にしつらえられたポップアップストアは過去最小のコーナーで、希少なコレクションを販売。例年見られる争奪戦とは一味違う趣の先行販売会となった。最後はホワイエに戻り、デザイナーの アーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)と同じカナダ出身の「グライムス(GRIMES)」のライブでイベントは幕を閉じた。
従来、1000人規模で行ってきたデザイナーズコラボイベントだが、今回は400人程度に抑え、パーソナルで温かみのある雰囲気を醸し出した。また、メディア数を絞り、スウェーデン本国が各国から推薦されたインフルエンサーのうち、インスタグラムのフォロワー数以上に、そのクオリティーやムード、クリエイティビティーなどのクオリティー見てセレクトしたのがポイントだ。日本からはマギーに加え、AMIAYAとモデルのエミ・レナータが参加。マギーは特にアジアからのゲストに人気。さらにバズ・ラーマンの目にとまり、東京などでの再会を約束した。AMIAYAは一緒に写真を撮ろうとセレブやインスタグラマーから引っ張りだこで、「ブレードランナー2049(Blade Runner2049)」にも出演するシルヴィア・フークス(Sylvia Hoeks)や、スージー・バブル(Susie Bubble)ことスージー・ロウ(Susie Lau)などからも声を掛けられフラワーボードの前で撮影に応じていた。
「アーデム × H&M」の発売は11月2日。日本では10月12日にスタートした会員制システム「H&Mクラブ(H&M CLUB)」に登録することで、発売当日に店舗で並ばず優先的にショッピングできる先行ショッピングのエントリーが可能になる。