三越伊勢丹ホールディングスは23日、子会社で高級スーパー「クイーンズ伊勢丹(QUEEN’S ISETAN)」を運営する三越伊勢丹フードサービス(東京、田中哲・社長)の株式の66%を三菱系の投資ファンドである丸の内キャピタルに売却すると正式発表した。本業の百貨店の低迷が続く三越伊勢丹HDは、伊勢丹松戸店の閉店決定や早期退職金の積み増しなど、構造改革を加速しており、今回の事業売却もその一環。三越伊勢丹フードサービスは17年2月期まで5期連続の赤字で、改革に苦戦していたため、同じく高級スーパー「成城石井」の再建でも実績のある丸の内キャピタルの力を借りる。
18年3月末をメドに会社分割によって、三越伊勢丹フードサービスのスーパーマーケット事業などを承継する新会社(名称未定)を設立し、新会社の株式の66%を丸の内キャピタルに譲渡する。譲渡金額は非公開。「クイーンズ伊勢丹」の屋号は継続する。
三越伊勢丹フードサービスは、伊勢丹の食品関連子会社であるクイーンズ伊勢丹と三越の食品関連子会社である二幸を11年に経営統合して誕生した会社。主力事業である「クイーンズ伊勢丹」は首都圏に17店舗を運営している。17年3月期は売上高497億円、営業損益が11億円の赤字だった。