ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY以下、HBC)は傘下の百貨店ロード&テイラー(LORD & TAYLOR)のニューヨーク五番街旗艦店をウィーワーク プロパティー アドバイザーズ(WEWORK PROPERTY ADVISORS以下、WPA)に8億5000万ドル(約960億5000万円)で売却した。WPAは投資会社のローム キャピタル(RHOME CAPITAL)とコワーキングスペースなどを運営するベンチャー企業のウィーワーク(WEWORK)のジョイントベンチャー。同旗艦店は2018年のホリデーシーズンまで営業し、その後約6万平方メートルの総面積を1万4000平方メートルに大幅縮小。ウィーワークが残りのスペースをニューヨーク本社として使用する。今回、ローム キャピタルはHBCの株式21.8%、5億ドル(約565億円)相当を取得した。
また、HBCが持つトロント、バンクーバー、フランクフルトの百貨店の上層部をウィーワークに貸し出す他、HBCがニューヨーク、トロント、ケルン、ダブリン、ベンガルールに持つオフィスは、ウィーワークのプラットフォーム“パワード バイ ウィー(Powered by We)”を早期導入し、デジタルシステムと組み合わせてオフィススペースのより効率的な設計、構築、運用を図る。さらに、HBCの顧客はウィーワークのメンバープラットフォームに参加できるなど、相互に利益があるプログラムを実施していく。
06年にHBCがメイシーズ(MACY'S INC)の前身であるフェデレーテッド デパートメント ストアーズ(FEDERATED DEPARTMENT STORES)から旗艦店を買収した時の額は、3億〜4億ドル(約339億〜452億円)だった。また、15年時点で同旗艦店(地下から11階とその他所有権などを含む)は合計約6億4000万ドル(約723億2000万円)と評価されていた。
ウィーワークは00年にニューヨークで設立された、起業家、フリーランス、ベンチャー企業、中小企業などにコワーキングスペースを提供するベンチャー企業。現在メンバーは世界で15万人以上で、90万平方メートル以上のスペースを所有しており、その評価額は200億ドル(約2兆2600億円)とされている。