ビジネス

ゴールドウイン出資で老舗ブランド「ウールリッチ」は生まれ変われるか

 7月にゴールドウイン(GOLDWIN)の持ち分法適用関連会社となった英ウールリッチ インターナショナル(WOOLRICH INTERNATIONAL以下、ウールリッチ)は、新たなアウトドアブランドを2018年秋にスタートする。アンドレア・ケイン(Andrea Cane)「ウールリッチ」クリエイティブ・ディレクターは「ウールをコアの製品として成長してきた『ウールリッチ』に新たな章が書き加えられる。クリエイティブに創造するというビジョンと機能性に関して妥協をしない姿勢によって、高性能ウエアの業界リーダーであり続きてきたゴールドウインに敬意を覚える。新コレクションのスタートは、ゴールドウインの最新テクノロジーの発表と同時期になるはずだ」と話す。

 「ウールリッチ」は、1830年に米ペンシルバニアで創業。アウトドアラインの「ウールリッチ アウトドア(WOOLRICH OUTDOOR)」、コンテンポラリーラインの「ウールリッチ ジョン リッチ&ブラザーズ(WOOLRICH JOHN RICH & BROS.)」、テキスタイルや毛布のコレクションの3ラインがあるが、今後これらのラインを全て「ウールリッチ」の名前で供給し、3つのラインを全てそろえた旗艦店を世界中にオープンしていく。

 すでにミラノに最大規模の旗艦店をオープンしており、2020年までにアメリカ、ヨーロッパ、アジアに5店舗を構える。出店する都市の候補として、ニューヨークはほぼ確実で、その他はボストン、トロント、ロンドン、パリ、東京などが挙がっているという。

 渡辺貴生ゴールドウイン取締役は「米国アウトドア市場​​で長年の経験がある『ウールリッチ』の世界的な拡大に協力できることは光栄だ。新たなアウトドアウエアブランドは、妥協のない機能性をデザイン性とともに新たなスタイルで次世代に提供するブランドになる。最新のテキスタイルテクノロジーをウールリッチの知識と融合させ、ウール生地ベースのクラシックなスポーツウエアを構想している」と語る。ゴールドウインが出資している人工合成クモ糸素材の開発に成功した山形県鶴岡市のベンチャー企業、スパイバー(SPIBER)と共同開発した素材を使用する可能性もあるという。

 また、「ウールリッチ」はラッパーのドレイク(DRAKE)、「シュプリーム(SUPREME)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」などとコラボレーションをしてきた。今後こうしたコラボをウィメンズにおいてもスタートする展望もあるという。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。