J.フロント リテイリングは31日、旧松坂屋上野店南館を再開発した「上野フロンティアタワー」を11月4日の開業に先駆けて関係者に公開した。1~6階に核テナントとして入るパルコは「パルコヤ(PARCO_YA)」の屋号で、30~40代の大人を狙ったリーシングを組む。営業面積は8200平方メートルと中規模だが、68店舗のうち上野や台東区にゆかりのあるテナントを約2割誘致するなど、独自色を出している。
ファッション関連の地元組はバッグの「クラチカ バイ ポーター(KURA CHIKA BY PORTER)」、同じくバッグの「マザーハウス(MATHERHOUSE)」、帽子の「カシラ(CA4LA)」など。「クラチカ バイ ポーター」の吉田カバンは創業者・吉田吉蔵が1935年にバッグ製造が盛んだった上野で修業を積んで創業。マザーハウスは現在も御徒町に本社を置く。「カシラ」を運営するウィーブトシも1号店はアメ横だった。小林昭夫パルコヤ店長は「いずれもモノ作りの背景がある顔ぶれ」と胸を張る。
飲食においても地元色が強い。1892年創業の「うえの やぶそば」はそばだけでなく、そば粉のガレットなど新メニューを提供する。湯島で創業し、現在は芝で営業する和食店「くろぎ」は新業態のカフェ&バー「廚 onta くろぎ」で、抹茶パフェなどのスイーツを用意する。パルコの牧山浩三・社長は「老舗には最新型の店を作ってほしいとお願いした」と話す。