最近、ヘアサロンや美容師が主導で開発されたヘアスタイリング剤が増えている。以前からメーカーと共同で開発するケースはあったが、ここ1~2年で自らブランドを立ち上げて、展開するケースが多く見られるようになった。その多くがナチュラル成分を配合し、パッケージや香りなど、美容師のこだわりが詰まっているのが特徴だ。サロンのオリジナルブランドを作ることはブランディングの一環といった側面もあるが、それよりも「自分たちが本当にいいと思うものを使いたいし、お客さまにおすすめしたい」という思いの方が強いようだ。今回はその中で注目の製品を紹介する。
2012年にいち早く発売されたのが、ヘアサロン「オーダー(OORDER)」がプロデュースするヘアスタイリング剤「ヤイ フォロー(YAY follow)」だ。ナチュラル原料にこだわり、ヘアクリームとワックスの2商品を展開。海外商品のようなパッケージで、使い心地のよさと安全性を考えて作られた。商品名には「お客さまの毎日のヘアスタイルをフォローするという思いを込めた」(「ヤイ フォロー」担当者)という。
16年3月に発売されたヘアサロン「リム(LIM)」のオリジナルブランド「リサーチ(LISARCH)」のヘアバターは以前に作っていた自社のオリジナルワックスを改良したもの。「シンプルな処方でありながら、ナチュラルでしっとりとしたスタイリングを一日中保つことができるように、天然由来原料の選定にこだわった」(西村侑記「リム」代表)。
同じく16年3月に発売されたのが、ヘアサロン「ナヌーク(nanuk)」がコスメブランド「ボジコ(BOJICO)」とコラボしたヘアワックス「ロピ(ROPI)」。もともと「ナヌーク」で「ボジコ」のワックスを取り扱っていたのがきっかけで、「自分たちの好きな香りやパッケージにこだわり、お客さまにもより良いものを使ってほしい」(「ナヌーク」プレス)という思いから開発された。イラストレーターの長場雄のイラストを使い、シンプルで少しクセのあるパッケージも人気となっている。
16年11月には、ヘアサロン「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」がプロデュースするスタイリング剤「オーシャン トリコ(OCEAN TORICO)」が発売。「求める質感とセット力&キープ力をできる限り両立させた」(「オーシャントーキョー」プレス)。セット力や質感など求める仕上がりに合わせて5種を展開する。初日の売り上げが全美容商材中歴代1位を獲得した。
今年5月に発売されたトリートメントヘアバーム「リレイ(LILAY)」は、美容師の柳亜矢子「ブローチ(broocH)」ディレクターがプロデュース。植物由来成分を95 %以上配合し、ケミカル成分を最小限に抑えたハイブリッド型ヘアバーム。程よいセット力がある他、髪の保湿、補修もできるのが特徴だ。
6月発売のヘアブランド「ナナコスター(NANACOSTAR)」は、ヘアサロン「七つ星+」が製作。使用感・香り・デザイン・価格帯にこだわって開発した100%エッセンシャルオイル配合のヘアワックス。「どのアイテムも流行の艶やウエット感が出せるのがポイント」(「ナナコスター」担当者)。
8月には発売された人気バーバーショップ「ミスターブラザーズ カットクラブ(MR.BROTHERS CUT CLUB)」が北海道・旭川の老舗理容室「アパッシュ(APACHE)」とのコラボによるスタイリング剤「ブロッシュポマード(BROSH POMADE)」。“ジャパン メード”にこだわり、日本人の髪質でも、しっかりと押さえつけられる強いホールド力を実現した。
9月にはヘアサロン「ガーデン(GARDEN)」と三越伊勢丹グループとのコラボによるイデアルシリーズ「ミエルハーブバター(MIEL HERB BUTTER)」の第2弾が発売。第1弾で好評だった香りとパッケージをあえて改良して、新しい香りとパッケージで提供する。