大型ショッピングセンター(SC)の「ららぽーと」やアウトレットモールを運営するデベロッパー大手の三井不動産は11月1日、ファッションECモール「アンドモール」をオープンした。「ららぽーと」などに出店している200ショップが参加し、3000ブランドを取り扱う。ファッションECモールは「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の一強体制になっている。三井不動産は全国で114施設のSCを運営するノウハウとテナントとのネットワークを生かし、リアルとECが融合した、新しいファッションECモールで追撃する。
11月1日の会見に登場した広川義浩・三井不動産常務執行役員は、「以前から検討は続けてきたが、“グローイング・トゥギャザー”という原点に立ち返った時に、買いたいと思ったお客さまが買えない、あるいは物理的な制約のあるリアル店舗での欠品といったテナント側の課題にソリューションを提供することがデベロッパーの責務だと考えた。10年単位で考えており、長期目標として商品取扱高1000億円を目指す」と語った。
三井不動産は大型SCの「ららぽーと」やアウトレットモール「三井アウトレットパーク」などを、全国で114施設を運営、合計で約2300社が出店、年間の施設売り上げは1兆1700億円(2016年度実績)に達している。後発ながら、強力な武器になりそうなのが会員1000万人を擁する三井ショッピングパーク会員(三井ポイントカード)だ。テレビCMなどの大型プロモーションや全国で運営するSCを通じ、「アンドモール」に集客する。
ライバルと目される「ゾゾタウン」は2016年度の商品取扱高が前年比33.0%増の2120億円、出店者数は954ショップに達している。商品取扱高はこの規模でも20〜30%超の高水準で推移している。テナント構成などは「アンドモール」と重なる部分も多く、この牙城を崩せるのかに注目が集まる。