三越伊勢丹ホールディングスは7日、子会社で「アナスイ(ANNA SUI)」「ケイタマルヤマ(KEITA MARUYAMA)」などを展開するマミーナ(東京、久保田佳也・社長)を2018年3月末で事業終了させ、その後清算手続きに入ると発表した。4月に就任した杉江俊彦・社長による構造改革の一環。マミーナは、この数年は赤字が続いていた。比較的堅調な「アナスイ」は三越伊勢丹が継承する。「ケイタマルヤマ」に関しては来年2月末で同社からは離れる見通しだ。
マミーナは17年3月期で売上高40億円に対して営業損益が3億円の赤字で、債務超過に陥っていた。都内で7日行われた三越伊勢丹HDの17年4~9月期決算会見に登壇した杉江社長は「マミーナはSPA(製造小売り)という言葉が一般的でなかった時代から当社の専門店事業として一度は成功を収めたが、最近は市場の競争が激しく、現在のやり方では難しい」と撤退理由を説明した。
同社はこの日、新体制による新しい中期経営計画を発表。最終年度の21年3月期までに営業利益350億円(17年3月期は239億円)の達成を掲げる。大西洋・前社長は500億円を掲げていたが、杉江社長はこれを引っ込め、半年かけて再検証してきた。350億円は過去最高益だった14年3月期とほぼ同じ水準になる。「手堅い目標であり、できれば19年度(20年3月期)に実現したい」。引き続き構造改革を進めるとともに、同時にデジタル投資を中心にした成長戦略にも布石を打つ。
構造改革では伊勢丹松戸店の閉店(来年3月)、高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」を展開する三越伊勢丹フードサービスの株式66%の売却をすでに発表しているが、早期退職支援制度の退職金の積み増しについても正式に発表した。1990~93年に新卒採用した総合職がそれ以外の年代に比べて3~4倍も多いことを踏まえ、11月1日から実施に移した。同社ではこれまで30~40%が部長職につけたが、バブル期採用世代は10%程度に留まる。杉江社長は「けして肩たたきではなく、(働く人の)選択肢を増やす」試みとして、従来からあった早期退職支援制度の下限を従来よりも2歳若い48歳に下げた。