欧米では今、ビューティ業界のニューカマーとして「ビーカー(BKR)」の水筒が大ヒットしている。ガラスの瓶に、パステルカラーのスリーブが特徴で、中には全面にスパイクをあしらったものやハート柄などデザイン性の高いものもそろえている。サイズは250mL(28ドル、約3164円)、500mL(35ドル、約3955円 スパイク付きは40ドル、約4520円)、1L(45ドル、約5085円)の3種類があり、一番人気は500mLサイズだ。 “SNS映え” するパッケージが話題を呼んで人気を集めているが、フィットネスブームやインナービューティトレンドとうまく重なったといえる。
同ブランドはタル・ウィンター(Tal Winter)とケイト・カトラー(Kate Cutler)が2011年に立ち上げ、現在は世界の1000店舗で取り扱われている。売上高は数千万ドルで、販売個数は累計150万本を超えた。8月に一部のセフォラ店舗とセフォラ公式オンラインストアで発売し、18年1月には全店舗に導入する。また、10月には英百貨店のハロッズ(HARRODS)で「スワロフスキー(SWAROVSKI)」とコラボしたコレクションを先行発売した。キャップに「スワロフスキー」製のクリスタルを500個を閉じ込めた豪華なパッケージが特徴で、ホワイト、ローズゴールド、ゴールドの3色。それぞれ185ドル(約2万905円)と水筒にしては高価だが、売り上げの全額が水不足で苦しむ地域への支援を行っている団体「ウオーター フォー ザ ピープル(Water for the People)」に寄付される。セレブリティーにも人気で、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)やマイリー・サイラス(Miley Cyrus)、ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)、ダコタ・ファニング(Dakota Fanning)、ジェシカ・アルバ(Jessica Alba)、ブレイク・ライブリー(Blake Lively)、アマンダ・サイフリッド(Amanda Seyfried)など多くのセレブが「ビーカー」のボトルを手にした姿をパパラッチされている。
ウィンターとカトラー共同創業者は、自分たちではなく消費者が、「ビーカー」のボトルを生活雑貨ではなくビューティアイテムと呼ぶようになったと話す。「消費者からのフィードバックの中で、『ビーカー』のボトルで水をもっと飲むようになっただけではなく、ペットボトルを購入しなくなったという声が多かった。そして水の摂取量が増えたことにより、肌の潤いも増しているという。最初セフォラに話を持ちかけたときは少し戸惑われたが、“美は内側から”という考えが強まっていることもあり、今は全店舗で扱われるようになった。 今の時代、より多くの人が体の中に入れるものに気を遣うようになり、インナービューティに注目が集まっている。そんな中、われわれのボトルは多くの消費者のハートに刺さったのだと思う。どんなに高級な化粧品を使っても、体自体が水分不足だったら肌は綺麗にならないことに皆気づくようになっている」。