11月10日、「ヴォーグ(VOGUE)」史上初、黒人男性編集長となるエドワード・エニンフル(Edward Enninful)による初の英「ヴォーグ(VOGUE)」12月号が発売される。表紙を飾るのはガーナ系イギリス人モデルのアジョワ・アボアー(Adwoa Aboah)で、英「ヴォーグ」と仕事をするのは90年代以来だというスティーブン・マイゼル(Steven Meisel)が撮り下ろした。メイクを手掛けたのはパット・マクグラス(Pat McGrath)、ドレスは「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」だ。
“グレート・ブリテン(Great Britain)”という特集テーマにふさわしく、表紙にはカーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)、ゼイン・マリク(Zain Malik)、ゼイディー・スミス(Zadie Smith)、ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)といったイギリス出身のモデル、アーティスト、作家の名前が並ぶ。
特集では、コントリビュート・エディターを務めるナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)による、サディク・カーン(Sadiq Khan)=ロンドン市長のインタビューや、先日退任を発表したクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)=バーバリー(BURBERRY)プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー、シモーン・ロシャ(Simone Rocha)「シモーン ロシャ」デザイナー、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)「ジェイダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」デザイナー兼「ロエベ(LOEWE)」クリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)といったロンドンデザイナーたちのポートレートとインタビューを収録している。
新生英「ヴォーグ」はデジタルも強化し、“フェイスブック ライブ”やユーチューブ、“スナップチャット ディスカバー”などでコンテンツを配信する。映画監督のスティーブ・マックイーン(Steve McQueen)をコントリビュート・エディターに起用したのも、オンライン動画を配信するためのアドバイスを得るためだったという。
就任当日にスナップチャット ディスカバーの配信をスタートしたというエニンフル編集長だが、「紙の雑誌を愛している。雑誌は最高の写真、ライター、そしてファッションを最も美しい方法でまとめて見せることができるからね。デジタルは私にとってその魅力をさらに高めるもの。紙とデジタルはほぼ一体だと考えている。ミレニアル世代はもしかしたらオンラインで初めて『ヴォーグ』に触れるかもしれないが、サプライズを仕込み、その時代の人々を反映し続ける限り、いつの時代も『ヴォーグ』を読みたいという人々は存在する。時代の変化に合わせ、われわれもデジタルの力を借りて変化しなければならない。だが、手で触れることができる雑誌はまだまだ死なない。雑誌の力を信じている」と語った。
エニンフル編集長は16歳でモデルとしてキャリアをスタートし、19歳で英「i-D」のファッション・ディレクターに就任した。米「ヴォーグ」や伊「ヴォーグ」のコントリビュート・エディターとしても活躍し、2011年からは「W」でファッションストーリーなどのクリエイティブを監修。16年には大英帝国勲章(OBE)を受章した。