「WWDジャパン」2000号が11月6日に発売された。1979年の創刊から現在に至るまで、39年分のファッションニュース、時代を象徴するコレクションなど過去を振り返りつつ、現代を象徴するデザイナーや経営者たちのインタビューを掲載し、ファッションの未来を探る特大版だ。そこで「WWD JAPAN.com」では2000号の制作に携わったスタッフのコラムを不定期連載でお届け。ファッションの過去と未来を今号で見つめた、老若男女幅広いスタッフたちの気付きや意見から得られることも多いはずだ。
こんにちは(こんばんは)。「WWDジャパン」2000号の企画、創刊から39年分のファッションの歴史の振り返った新卒2年目のイシヅカです。そんな2000号が11月6日、遂に発売されました。ページ数はなんと170ページ。タブロイドからしたらあり得ない分量ですが、その分ファッションの歴史もあるんだなあ……などとしみじみと感じています。
そんなことを感じつつふと思ったのは、ファッションが一番“ファッションぽかった”時期、っていつなんだろう?ということ。大変だったり、泥臭く努力したりすることもあるけど、ファッション界ってクリエイティブな人がいっぱいいて、華やかな世界なんだろうな、と思ってこの業界の門を叩いたワケです。あれから1年半くらい。今もその感覚を持ちながら働いていますが、率直に言えば今のファッション界には少し物足りなさも感じています。これはなぜなのでしょう。
恐らくそれは、トレンドの後追いをしてうまく商品を売る、“ビジネスが上手な”ブランドが増えている一方で、トレンドを生み出す気概にあふれる“クリエイティブな”ブランドが少ないから。現状、将来メジャーにまで成長しそうな新興ブランドがほとんど出てきていません。これはブランド側が昔と変わらず「かっこいい服を作る」ことだけにこだわり、「どう服を売るのか」を考えていないことが最大の要因なのではないかな、と思っています。
中小のデザイナーズブランドは「今の時代にどう服を売るのか」についてもっと考えるべきなのではないでしょうか。今はかっこいい服を作っているだけで売れるような時代ではありません。現代はツイッターやインスタグラムなど、お客さんとコミュニケーションを取る場はたくさんあるし、ECも手数料などはかかるかもしれませんが、手段はいくらでもある。ツールが発達しているのに、それを使わないのはとてももったいないことだな、と思います。実際に、それらを駆使して着実に成長している若手ブランドもあります。
ファッションが“ファッションらしくない”現代において生き残るには、現代のツールを駆使することが大切なのではないでしょうか。そのためにもまずはそういったツールをしっかりと調べ、理解することが必要だと思います。「知っていてあえてやらない」のと「知らないからできない」は、同じ「やらない」でも全然違うはずです。