アッシュ・ぺー・フランス(H.P.FRANCE以下、アッシュ・ぺー)が運営する雑貨やアートのセレクトショップであるバザー・エ・ガルド・モンジェ(BAZAR ET GARDE-MANGER以下、バザー)のバイヤー、マルト・デムラン(Marthe Desmoulins)さんが先月、アート展やファンとの交流イベントのために来日しました。バザーは青山の路面店をエイチピーデコ(H.P.DECO)内に移転したばかり。店内にはマルトさんが買い付けたアートやビンテージ雑貨、オリジナルのテーブルウエアなどが並べられ、ポップで楽しい雰囲気です。
パリでつかんだ縁マルトさんはフランス・ブルターニュ出身。パリでアブサン(ABSINTHE)というファッションのセレクトショップを運営していました。アブサンは、パリのクリエイターであるツェツェ・アソシエ(TSE & TSE ASSOCIEES)らが通う注目のセレクトショップ。マルトさんが村松孝尚=アッシュ・ぺー代表と出会ったのはアブサンでした。アッシュ・ぺーの店舗のお手本になると村松社長はアブサンによく足を運んでいたようです。
パリから南仏へ移住し、バザールが誕生マルトさんは住み慣れたパリを離れ、南仏に引っ越す決意をしたため、アブサンは閉店。南仏に移り住んだ理由を聞くと、「パリには20年住んだし、祖父が庭師だったこともあり、庭とテラスのある家に住みたいなと思うようになった。南仏のアビニョンを訪れて恋に落ちたの。南仏のライフスタイルが最高だって気づいたから移住を決めたわ」と話します。村松社長はマルトさんのセンスを高く評価しており、彼女はアッシュ・ぺーのアドバイザーなどとしても活躍していました。南仏の暮らしからインスピレーションを得たマルトさんはアートとライフスタイルに特化したバザーのコンセプトを村松社長に提案し、それが受け入れられてバザーが誕生しました。マルトさんは、「本当にラッキーだった。人との縁って本当に大切だと実感したわ」と言います。
約10年前にバザーが誕生して以来、マルトさんは各作家と密に話し合いながらお店用の作品を調達しています。そうすることで、作家の作品にマルトさんのエッセンスがプラスされるのです。彼女の夫のフランクさんも彫刻家でバザーでは、グラフィック・ディレクターとしてロゴのデザインやドローイングを手掛けています。最近、岐阜の陶器職人とコラボでオリジナルのテーブルウエア“ボナペティ”の制作も始めました。それらにはフランクさんのユーモラスなドローイングが描かれています。バザーには年に数回、南仏のマルトさんから完成した料理の写真付きでレシピが送られてきます。バザーでは、それらをポストカードにして購入者にプレゼントしているそうです。マルトさんの魅力が詰まったバザー。東京で南仏気分を味わいたい時にはぴったりの場所です。