アイウエアの国際展、第25回「香港オプティカルフェア」(香港貿易発展局主催)が11月8日から3日間、香港コンベンション&エキシビション・センターで開かれた。約800社が出展し、世界103の国と地域から前回比7%増の1万6000人以上が訪れた。
日本からは25社が出展。福井県眼鏡工業組合の加盟会社が合同出展したエリア“ジャパン ヴィレッジ”には、福井めがね工業、サンリーブなど十数社が参加した。また、常連の増永眼鏡、ボストンクラブ、昨年初出展したオーマイグラスなどが単独出展した他、オプテックジャパンの「アイヴァン(EYEVAN)」が、10月にパリで行われた国際展シルモ(SILMO)に次いで初出展した。
香港の通商に関する統計によると、眼鏡関連分野の日本への輸出額は、アメリカ、イタリア、中国、オーストラリアに次いで5番目で、今年は昨年より順位を上げ、日本は重要な貿易相手国となっている。一方、日本企業のグローバル化戦略にとっても、香港はアジア市場開拓の重要な拠点となっている。フォーナインズ(999.9)は香港の代理店と契約し、「香港の主要約50店に販売先を広げることができた」と話し、香港の有力セレクトショップ、ヴィジュアル カルチャーと代理店契約を結んでいる「ユウイチ トヤマ(YUICHI TOYAMA)」の外山雄一デザイナーも「香港を拠点に、中国に販売網の拡大が進んでいる」と成果を強調する。しかし、水嶌基博・福井県眼鏡工業組合副理事長(水島眼鏡社長)は、「日本は出荷額減、後継者不足、就業者減など難題が多く、海外事業まで手が回らなくなり、出展社が減っている。高品質に定評がある日本製は勢いのある中国企業の追い上げを受け、大差がなくなっている。今後の対策を模索中だ」と危機感を示す。同組合は、次の一手として、来年1月、ドイツ・ミュンヘンで開催される国際眼鏡展「オプティ(OPTI)」に初出展する予定だ。グローバル化を進める日本企業が増える中、イタリアのデザイン力、中国の生産力とならんで、高い技術力に定評がある“日本製”はさらなる精度の向上が求められている。