コンデナスト・イタリア(CONDE NAST ITALIA)は13日(現地時間)、次世代のインフルエンサー育成講座をスタートした。一期生は、ロレアル(L‘OREAL)のイタリア法人とパートナーシップを組んで育成。デジタル・コミュニケーションのスペシャリストである15人の講師陣が3月までミラノで、2000人の候補者から選ばれた20人の女性を指導する。化粧品メーカーの工場見学やファッションブランドのストアイベントなどでの実技を経て、最終試験に合格すると、“卒業証明書”が授与され、すでに300人が所属するコンデナストのインフルエンサー軍団に仲間入りすることができる。
「高卒以上の学歴を持つ19歳以上で英語堪能、さらにビューティ業界に興味があり、国際経験があれば尚良し」という募集要項を知り応募した入学希望者たちは、ビデオプレゼンテーションや面接などを経て選ばれた。
講師陣は生徒にSNSの正しい使い方、特に質の高い投稿と守るべき倫理について指導し、企業の依頼を受けた際の投稿方法、フォロワーと「いいね!」は企業から購入しないことなどを教える。総授業時間は240時間の予定だ。
コンデナスト・イタリアのルカ・ディーニ(Luca Dini)=エディトリアル・ディレクター兼コミュニケーション・ディレクターは、「我々は、『インフルエンサーは既存メディアの敵だ』と勘違いしている人々の誤解を解くため立ち上がった」とコメント。同社のフェデーレ・ウザーイ(Fedele Usai)=最高経営責任者も「消費者は、情報の発信者がジャーナリストかインフルエンサーかなんて気にしない。インスタが良いプラットフォームか、悪いプラットフォームかは関係ない。ただ既存メディアとして、彼らを教育して企業のニーズに応えようと努力しなければ」と続ける。
タッグを組むロレアルのロベルト・セラフィニ(Roberto Serafini)=ジェネラル・ディレクターは、「コンデナストと話し合いを始めたのは1年前。アメリカやイギリスではインフルエンサーの影響力が大きく、ブランドのメッセージを伝える大きな役割を担っている。我々もインフルエンサー・マーケティングの質を高めなければ」と話す。
コンデナスト・イタリアは、2018年には二期生、三期生を募集予定。来年末までに100人のインフルエンサーを育成する計画だ。