サステナビリティ

旭化成の「ベンベルグ」アウター展示会に国内42社の開発生地が集結

 旭化成は11月16日まで、東京・恵比寿のガーデンルームで2018-19年秋冬の「ベンベルグ(BEMBERG)」アウター素材展示会を開催している。「ベンベルグ」は、コットンから生まれた再生セルロース繊維キュプラのブランド名。もともとは裏地としての用途が主だったが、現在はシャツ地など表地(アウター)に使用されることが多い。今展示会では、国内の産地企業42社が開発したこだわりの「ベンベルグ」生地が並ぶ。

 会場入り口正面では、趣向を凝らして開発した「ベンベルグ」生地を“スエディッティ&ベルベッティ” “モダンウール” “パターンクラッシュ”の3テーマに分けて展示。“スエディッティ&ベルベッティ”では、トレンドのベルベットやスエード風の素材を「ベンベルグ」で表現。パイルの産地として知られる和歌山県で織られた毛足の長いパイル素材や、とろみのあるベルベッドなど、触感や感性に訴える提案が特徴だ。

 “モダンウール”のコーナーでは、ウール混、カシミア混や、ウールライクな表情に加工した「ベンベルグ」などを展示する。ウール100%の生地は着られる期間が短いことや、手入れを要することなどから、吸放湿性を持つ「ベンベルグ」は季節の変わり目に対応できる素材としての需要が高まっているという。“パターンクラッシュ”のコーナーでは、意外性を持つ柄と柄の組み合わせがテーマ。リバティプリントのブラウスや、「ベンベルグ」の基布の上に太い糸で刺しゅうをあしらったものなど、華やかな装いを楽しむ提案を行う。

 会場中央に設けたコンセプトコーナーでは“アワ・サステイナブル・アクションズ”と題して、「ベンベルグ」のサステイナビリティーをあらためてアピールする。「ベンベルグ」は、本来廃棄される綿花の周りの産毛部分を原料にしているため、土に埋めると生分解される。会場では実際にシャツを土に埋めて行った実験結果を展示。生産工程についても廃棄物の発生をほぼ0%に抑えており、再利用がどのように行われているかをパネルで解説している。海外企業を中心にサステイナブル素材への需要は高まっており、今後も国内外の展示会でアピールしていくという。

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