PROFILE:1986年6月9日北海道札幌市出身。2014年からドーベルマン・インフィニティのMCを務め、劇団EXILEに所属。2016年からHONEST BOYSとしても活動する。11月1日に、ビースティー・ボーイズ(BEASTIE BOYS)、カニエ・ウェスト(Kanye West)、JAY-Zなどを輩出したレコード会社、DEF JAM RECORDINGSからソロデビューシングル「MANZANA」をリリースした PHOTOS BY MAYUMI HOSOKURA
今、一番ホットなファッションアイテムは何かと聞かれたら、多くの人がスニーカーを挙げるだろう。今も昔も、デザイナーやアーティストとコラボした限定スニーカーは、多くのスニーカーヘッズを魅了してきた。「リーボック クラシック(REEBOK CLASSIC)」は、ヒップホップグループ、DOBERMAN INFINITYのMC、SWAYを中心としたクリエイティブユニット「ノアール(NOIR)」とコラボし、11月11日にスニーカー“クラブ C 85 SWAY(CLUB C 85 SWAY)”(1万2000円)を発売した。ベースとなったのは、1985年にコートシューズとして誕生したモデル“クラブ C”だ。現在31歳のSWAYのスニーカー歴は18年で、物心ついた頃からスニーカーが大好きだったという。そんなSWAYにスニーカー、ファッション、音楽のことを聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):初めて買ったスニーカーは?現在、何足くらい所有している?
SWAY:初めて買ったスニーカーと言われるとちょっと覚えていませんが、一番記憶にあるのは「ナイキ(NIKE)」の“エアフォース1(AIR FORCE1)”です。ファッションに目覚めた頃からずっと履いていますね。最近は増えすぎてわからないのですが、200足ぐらいは持っていると思います。
WWD:ファッションに目覚めたのはいつ?
SWAY:13歳(中学1年)の時です。当時、実は足が太くてなかなか自分に似合うデニムが見つからなかったんです。近所で買える普通のデニムだと、めちゃめちゃ自分の足の太さが気になって、鏡で見ても何か違うなと……。それを解消できたのが、B-BOYファッションだったんです。当時から体も大きかったので、今はXLサイズなんて普通ですが、当時はXLという表示はあまりなく……。
WWD:日本の表記だとLLやOだった。
SWAY:今でもスポーツブランドはそうだと思うのですが、B-BOYファッションに出合った当時、2XLや3XLという表示を見て、それがとてもかっこよく見えました。それで、トップスは3XL、ボトムスは36インチ。周りから見たらただの不良だったろうなとは思いますが……(笑)。
WWD:ヒップホップ文化がファッションにも影響している。
SWAY:そうですね。「ニューエラ(NEW ERA)」のキャップにステッカーを貼ったままかぶったり、スニーカーはいつも真っ白じゃなければならなかったり。そういうB-BOYファッションに素直に溶け込みました。スニーカーとキャップ、Tシャツは、バイト代を全て注ぎ込むほど集めていましたね。
WWD:今回スニーカーを自分でデザインすることになって率直な感想は?
SWAY:ただ驚きでした。スニーカーをデザインできることの喜びももちろんありましたが、一番うれしかったのは、既存のボックスにモデル名の「SWAY」と書かれているのを見た時です。
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WWD:デザインのこだわりは?
SWAY:最初は欲が出てしまい、たくさん色を使って、片方ずつ色を変えようかなとも考えていました。いわゆる“バカ履き”という履き方です。最初はそんな風に考えていたのですが、打ち合わせを重ねるうちに考えも変わりました。僕は13歳の時にスニーカーを好きになって、ずっと白ベースや明るい色を履くことが多かった。B-BOYの文化もあり、キャップとスニーカーの色を合わせたりしていたんです。デニムも分かりやすいウオッシュのかかったものだったり。でも30歳を過ぎた頃からブラックデニムを履くようになって、そういう大人っぽいスタイルにも合わせられるように黒ベースで作ってみるのはどうだろうと。
WWD:ホワイトも利いている。
SWAY:はい。ただホワイトも真っ白ではなく、オフホワイトなんです。そこも大人っぽく。それに以前なら絶対にブラックとネイビーを合わせなかったはずですが、そういうわずかなニュアンスの違いにもチャレンジしています。タンの裏にはもともと「リーボック」のブランドポリシーが書いてあるのですが、「S」型に文字の色を変えてSWAYのイニシャルを入れました。レザーだとしゃがんだ時のアッパーのシワが気になるので、柔らかいスエードを選んでいます。デザインした本人が言うと嘘に聞こえるかも知れませんが、履き心地もめちゃめちゃいいです(笑)。
WWD:どんなスタイルに合わせてもらいたい?
SWAY:僕もすっかりトレーニングを始めて足も細くなり、13歳の頃とはマインドも変わりましたし、タイトなパンツに合わせてもらうとすごく合うんじゃないかなと思います。
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WWD:最近気になるファッションは?
SWAY:最近はどんどんシンプルになってきて、今とても気になっているのが白無地Tシャツの専門店(東京・千駄ヶ谷にある「シロティ(#FFFFFFT)」)です。首周りの大きさや袖の長さ、着丈の長さなど、細かいディテールにこだわったTシャツ。最近は新作スニーカーの発売ペースも頻繁なので、ついつい履きたいモデルが増えていってしまう。白無地Tシャツ、ブラックデニム、スニーカーで少し遊ぶぐらいの方がおもしろいのかなと思います。
WWD:スニーカー好きの中には履かずにコレクションする人もいるが、買ったら履く派?
SWAY:必ず履きます。履かないなら買わない。後輩のプレゼントにもしますが。僕も昔いただいてすごくうれしかったので。
WWD:今回デザインしたクリエイティブプロジェクト「ノアール」とは?
SWAY:自分一人で何かモノを作るというよりは、自分がリスペクトしている人たちと一緒にモノをプロデュースできればと考えています。今回は、「リーボック」とコラボしてデザインを担当しましたが、それを世の中に広げていくのは自分一人ではなかなか難しい。プロモーションビデオを作ったり、その中で着る衣装を選んだり、一つのプロジェクトとしてチームで取り組んでいます。発売前に開催した先行ポップアップイベントの際も空間作りをチームで手掛けました。モノを作って、ブランディングも含めてそれをどうカタチにしていくか。「ノアール」を立ち上げたことで、アイデアをこれまで以上に膨らませられればと思っています。
WWD:ファッションとエンタメの関係についてはどう考えている?
SWAY:全く一緒だと思っています。札幌時代は洋服屋で働いていました。洋服と音楽が常に隣合わせにあり、ファッションから生まれたアイデアが音楽に生かされていたり、逆もしかりです。ステージ上では洋服が必要ですし、音楽のテーマに合わせて洋服も選ぶ。音楽には、ファッションを通して訴えられるメッセージも必ずあるので。スニーカーもトップアーティストが履いたという理由で、バズが起こることも多いですし、僕たち日本のアーティストももっとそういう風になれるように頑張らないといけないなと思います。