ここ数日、インスタグラムやツイッターのタイムラインで「サラハ(Sarahah)」というアプリをよく目にします。「サラハ」はサウジアラビア発のメッセージアプリで、相手に対して匿名で一方的にメッセージを送るだけのシンプルなアプリです。
最大の特徴はこのシンプルさです。メッセージアプリといえば通常アプリ内でやり取りをするためのものですが、「サラハ」はそうではなく、ただ一方的にコメントをするだけのアプリなのです。コメントを集めたい人がアカウントを作り、自分専用のURLを作成します。そのURLをSNSなどで拡散すれば、それを見たファンやユーザーが自由に匿名でメッセージを送れるのです。
先に言ったように、コメントが来ても送信元は分からないし、返信もできません。そこで、コメントを画像として保存し、ツイッターやインスタグラムにその画像を貼ることで、そのSNS上でコメントに答えるのです。
このSNSの画期的なところは、この“中途半端感”を残したことにあります。SNSは普通、その中でメッセージややり取りを完結できるものです。インスタグラムに至っては、“リンクを貼れない”という閉鎖的な空間を作ることで成長してきた側面もあります。それに対して、“返信できない”“誰からの連絡かわからない”という半端な機能にすることで、ユーザーは回答するために他のSNSにリンクを貼ったりして、勝手に拡散をしてしまうのです。こうして知らない間に広まっていくことに成功した「サラハ」が、今後どんな広がり方を見せるのか(そもそも流行るのか)注目です。