性器をこするよう強要されたなどのセクハラを受けたとして、男性モデルのジェイソン・ボイス(Jason Boyce)は写真家のブルース・ウェーバー(Bruce Weber)を相手どり、慰謝料などを求め、ニューヨーク最高裁判所に訴えを提出した。11月30日(現地時間)、ニューヨークの新聞「ザ・ニューヨーク・ポスト(The New York Post)」が報じた。
訴状などによるとウェーバーは2014年12月、ボイスをつかみ、唇にキス。さらにウェーバーはボイスの口に指を入れ、目を閉じるように指示。指を口に入れたまま耳元で「どのくらい野心があるんだい?」と尋ねたという。このあとボイスはセクハラによる精神的苦痛に苦しんだとして、「モデル業界特有の屈辱を受け、結果、いくつもの仕事を失った」と続ける。訴状には、彼の所属事務所ソウル・アーティスト・マネージメント(SOUL ARTIST MANAGEMENT)のジェイソン・カナー(Jason Kanner)創業者の名前もあるという。訴状は、カナー創業者はウェーバーによる撮影の直前ボイスに対し、「これは大きなチャンス。受け入れるんだ」と話していたという。
ウェーバーからコメントは取れていない。しかし彼は、ファッション業界でセクハラ問題が噴出して以降、彼の事務所リトル・ベア・インク(LITTLE BEAR INC.)を通じて「全ての人は平等に、正しく、敬意をもって扱われなければならない」との声明を発表している。また、カナー創業者からもコメントは取れていない。
ボイスはオクラホマ州出身のモデル。全米の量販店ターゲット(TARGET)や、アマゾン(AMAZON)、レクサス(LEXUS)などの広告で活躍したが、近年は俳優業に仕事をシフトしつつある。
映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)のセクハラ問題は、ファッション業界にも飛び火。最近アメリカのコンデナスト(CONDE NAST)など出版社数社は、モデルにセクハラをしたとして糾弾されているテリー・リチャードソン(Terry Richardson)とは今後、仕事をしないことを発表したばかりだった。業界のセクハラ問題が、広がり始めている格好だ。