仏発キッチンウエア・ブランドの「ル・クルーゼ(LE CREUSET)」は、ミシュランの一つ星を外国人として最年少で獲得した松嶋啓介シェフとクレンズフードの「ドクターズ ナチュラル レシピ(DOCTORS NATURAL RECIPE以下、ナチュラル レシピ)」とのコラボレーションでクリスマスコースを開発しました。
このコースは、“食を通して美しく豊かに”をモットーにする松嶋シェフと“食べて内側から体をきれいに”を掲げる「ナチュラル レシピ」、料理のおいしさを引き立てる「ル・クルーゼ」の思いが合致して誕生したものです。アペタイザーの手長海老を使用した“花のリビエラ”では「ナチュラル レシピ」の“オーガニックオリーブオイル”を、メーンの鳩のロースト オリーブ風味には“オーガニックマッシュグレーン”(雑穀)を、デザートのマンゴーのフランには“ピュアクレンズヨーグルト”と“スペシャルタイムグラノーラ(ベリーベリーモーニング)”を使用しています。
11月16日に東京・神宮前のレストラン「KEISUKE MATSUSHIMA」で行われたプレス発表会では、松嶋シェフが今回のコラボレーションや、食と健康の関係などについて語りました。クリスマス クレンズフード コースは同レストランで12月28日(12月22~25日を除く)まで提供中で、料金は8078円(税、サービス料込)です。
地中海の食文化と共通点の多い「ナチュラル レシピ」
今回のコラボメニューに関してはニースにある「KEISUKE MATSUSHIMA」のメニューと同じアプローチで開発したそうです。松嶋シェフは「普段からその土地で取れたもの、季節感、伝統にこだわっています。このメニューを通して、リビエラの魅力が伝わればうれしいです」と語ります。拠点のニースはスポーツがしやすい環境で、健康的なライフスタイルが定着しているようです。メニューに関して、「アペタイザーは、オリーブオイルと海老を合わせることで、うまみ成分を引き出しました。鳩のローストは、ピカソが描いた鳩とオリーブの絵がインスピレーション源です。地中海沿岸の国々で紛争が絶えない状況で、鳩もオリーブも平和のシンボルだと思ったのです。 “オーガニックマッシュグレーン”を使用しているのでじっくり咀嚼して味わえます。デザートでは島巡りの思い出を表現しました。ヨーグルトは地中海の食文化にとって欠かせないものです」と説明しました。
弱火で熱を伝えることでうまみを引き出す
「ル・クルーゼ」といえば、フランスを代表する鋳物ホーロー鍋の代表格。煮込み料理はもちろんのこと、お米も炊ける万能鍋として日本でも人気です。そのまま食卓に出してもスタイリッシュなので、ホームパーティーにもぴったり。自宅に1個はあるという方も多いでしょう。松嶋シェフは、「フランス料理というと華やかなイメージがありますが、ママンの味が一番なんです。トゥールーズにあるレストランの「ミシェル・サラン(MICHEL SARRAN)」で修業していた時に、そう思いました。フォワグラや鴨で有名な地域ですから、まかないは3食鴨。さすがに3食はつらかった。でも、シェフのお母さんが作ってくれたスープが絶品だったんです。『ル・クルーゼ』の鍋でじっくり煮込んでいましたね」とエピソードを話しました。ゆっくり煮込むことで香りとうまみが融合し、塩分や糖分が少なくてすむそうです。「弱火で素材に熱を伝えることで、素材自体の味を引き出すことができます」と松嶋シェフ。熱伝導に優れ、うまみと栄養をしっかりと閉じ込める「ル・クルーゼ」が世界中で愛されている理由はそこにあるようです。
ニースのすし屋を通して故郷をアピール
松嶋シェフは最近、ニースにすし屋を出店しました。彼の親戚にはすし屋が多く、幼少のころから馴染みがあったそうです。彼は、「フランスに住んで20年になりますが、飲食業も観光資源の一つであることに気付きました。このすし屋は酒も米もお皿も故郷である九州からのものを使用しています。世界中で注目されている日本のすしを通して、日本の観光業の可能性を探ろうと思いました。この店をきっかけに、九州に行ってみたいと思ってもらえたら」と言います。地中海料理だけでなく、日本人シェフとして日本食の代表格であるすしの魅力の発信を通して、故郷への思いを表しています。
松嶋シェフってどんな人
松嶋啓介シェフは九州・福岡出身。高校卒業後、調理師専門学校のエコール辻東京で学んだ後、20歳で渡仏。2002年、25歳の時に南仏ニースで独立してレストランを開業し、2006年にミシュランガイドで一つ星を獲得しました。外国人では最年少のミシュラン獲得という快挙でした。09年に神宮前にKEISUKE MATSUSHITAをオープン。ニースと東京を拠点に世界で活躍しています。2010年には日本人シェフで初めてフランス芸術文化勲章のシュバリエを受章するなど、レストランだけでなく、料理教室活動も高く評価されています。松嶋シェフは、「勲章は“グリコ”のおまけのようなものですかね」とユーモアを交えながら軽快なトークで来場者の笑いを誘いました。