世界最大の現代アートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2017(Art Basel Miami Beach 2017)」が5日〜8日に開催された。アート・バーゼルといえば世界中からギャラリーが一堂に会し、会期中は街中がアートに染まる一大イベントだが、今年で16年目を迎えるマイアミ・ビーチは本家のスイス・バーゼルに劣らぬ盛り上がりを見せる。ニューヨークからも大勢が駆けつけ、華やかなパーティーで幕を開けた。
マイアミのアート地区、ウィンウッド・ウォールズ(WYNWOOD WALLS)などのアート関係の機関だけでなく、会員制クラブのソーホーハウス(SOHO HOUSE)や、「ロエベ(LOEWE)」「プラダ(PRADA)」「フェンディ(FENDI)」「コーラー(KOHLER)」などのブランド、「Wマガジン(W MAGAZINE)」などがホストとしてパーティーやディナー、イベントを開催した。DJのディプロ(Diplo)、歌手のリタ・オラ(Rita Ora)やリッキー・マーティン(Ricky Martin)、パリス・ヒルトン(Paris Hilton)らの他、ファッション業界からはミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)などがイベントに顔を出した。
その中でも米「WWD」は、ジョナサン・アンダーソン「ロエベ」クリエイティブ・ディレクターをはじめとする7人に、「もしアート作品を何でも買えるとしたら、何を買う?」という質問をぶつけた。
サラ・フリン(Sara Flynn)=コンテンポラリー陶芸家 / ジョナサン・アンダーソン「ロエベ」クリエイティブ・ディレクター
フリン「ハンス・クーパー(Hans Coper)の壺かしら。クーパーが亡くなってからかなり時間が経ってしまったから彼の作品を手に入れるのはとても難しくて、オークションにもめったに出ないの。彼の作品は超一流。彼は私の中で永遠のヒーローなの。簡単な質問ね」
アンダーソン「お母さんがよく使うような誘導質問だね。僕だったらブランクーシを買うかな。何かアートを買うなら、ブランクーシになると思う」
ステファノ・トンチ(Stefano Tonchi)「Wマガジン」編集長(左)
「ギルバート&ジョージ(Gilbert and George)の作品だったら何でも」
ウルス・フィッシャー(Urs Fischer)=現代アーティスト
「それは僕の家に飾るもの?しかもお金があったらの話だよね?じゃあ、何か1つアート作品を買って、それを売って、そのお金でたくさんのアート作品を買ったり、別のことをすることもあり?冗談だよ。たぶん古代ギリシャ時代の彫刻家な。それかジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)の作品かも」
ダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)=現代アーティスト
「ジェームズ・タレル(James Turrell)の『Skyspace』。なぜなら、それは空気を買うようなもの、つまり何も買わないようなものだから」
ジェレミー・スコット「モスキーノ(MOSCHINO)」クリエイティブ・ディレクター
「ジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)の作品かな。もし何か買えるならね」
ロー・エリアード・デュブレイル(Laure Heriard Dubreuil)=ジ・ウェブスター(THE WEBSTER)創設者兼社長
「ニューヨークのガゴシアン・ギャラリーには、ジョシュ・スミス(Josh Smith)の絵画がひと通りあるの。その中のどれか1つ」