マッシミリアーノ・ジョルネッティ(Massimiliano Giornetti)前「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO以下、フェラガモ)」クリエイティブ・ディレクターが「上海灘(SHANGHAI TANG)」のデザインを担当する。
「上海灘」は7月に、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)からイタリアのフィナルバ SPA ホールディングス(FINALBA SPA HOLDINGS)のアレッサンドロ・バスタリ(Alessandro Bastagli)社長と投資会社カッシア インベストメンツ(Cassia Investments)に売却され、新オーナーの下で生産地をイタリアへ移して売価格を上げるなど、ラグジュアリーブランドとしてリブランディングを図っている。
ブランドの全指揮を執るバスタリ社長は、ジョルネッティのポジションに台湾系アメリカ人のアレキサンダー・ワン(Alexander Wang)を据えることも検討したという。しかし、同ブランドは「すでに中国的要素が強く備わっているため、むしろイタリア人を入れた方がブランドが完成する」と考えたという。
また、45歳以下の顧客がわずか15%しかいない同ブランドのメーンターゲットを25~45歳まで下げることは必須だという。一方で、生産地をイタリアに移したことで販売価格が上がったが、バスタリ社長は、品質が向上しているため顧客に受け入れられると考える。
また、同氏は「『上海灘』をファッションブランドとして認識してもらいたい。少なくとも、ここ数年は外国人を中心に、小物を購入する客が多く、“土産物屋”として見られてしまっている。5年以内にこのブランドを高品質かつ手ごろな値段のブランドとして認識してもらえるように尽力する。大きく出すぎかもしれないが、『シャネル(CHANEL)』や『ディオール(DIOR)』など、最高級のブランドと同じ工場で製造しているから、品質だけなら5大ブランドと肩を並べられると考えている」と話した。
現在、「上海灘」は中国、タイ・バンコク、シンガポール、そしてマイアミのマンダリンオリエンタルホテル内に店舗を構える。今後の出店計画についてバスタリ社長は「新たに2店舗出店する予定で、ミラノとパリになる可能性が濃厚だ。出店場所とヨーロッパにおける卸売りについても検討している。また、先の話になるが、アメリカ、日本、韓国への進出も予定している。韓国とドバイはすでに契約を進めているが、中韓関係が良好ではないため、韓国については今後の可能性に期待している」と述べた。