「ディオール(DIOR)」は、世界中のアーティストが同メゾンの象徴的バッグ“レディ ディオール”のデザインを手掛けるプロジェクト“DIOR LADY ART”の第2弾を発表した。世界的に活躍するアーティスト10人と協業しており、いずれも目を引くデザインばかりだ。ハウス オブ ディオール ギンザと「ディオール」心斎橋店で販売中。価格は68万〜145万円。
ソウルを拠点に活動し、近未来的な作風を持つイ・ブル(Lee Bul)はこなごなに砕けたガラスが1枚の鏡に見えるバッグを生み出した。アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)と交流のあったジョン・ジョルノ(John Giorno)はレインボーカラーのボディに自身の詩の一節をロゴとして採用。革新的な方法で世界情勢を作品に表現することを得意とするホン・ハオ(Hong Hao)は、代表作である勢力図が描かれた世界地図と、対象物をスキャンしたポップな柄をそれぞれバッグにあしらった。ドイツのロマン主義を思わせる風景画をモチーフに作品を制作するフリードリッヒ・クナス(Friedrich Kunath)は、キスをするカップルをボディに描き、ハンドルを虹色に染め上げて芸術的なロマンを表現。スイス人とギニア人を両親に持つナムサ・レウバ(Namsa Leuba)は南アフリカのンデベレ族の文化から着想を得て、彼らの色彩豊かな文化をデザインに取り入れた。
また最年少アーティストとして1993年生まれのベティ・マリアーニ(Betty Mariani)とジャミラ・オクボ(Jamilla Okubo)が参加。マリアーニはストリートアートとグラフィティを用いて“日常”を映し出し、ボディにあしらった色鮮やかな刺しゅうが立体感を与えている。アメリカ生まれでケニアをルーツに持つオクボは、ケニアスタイルのビーズワークと「ディオール」の伝統的なキルティング技法を用いた。官能的で情緒ある世界観で知られる写真家ジャック・ピアソン(Jack Pierson)はパリ滞在中に描き上げたデッサンをもとに、ノスタルジーとクラシックを醸し出している。スペンサー・スウィーニー(Spencer Sweeney)はキャンバスのようにバッグに多彩なデッサンを描き、“不完全”の中に見る完璧さを追求している。メゾンとのコラボレーションで上海、東京、ニューヨークのブティックのためにスズランの花の彫刻を手掛けたデビッド・ワイズマン(David Wiseman)は自然にインスパイアを受け、真鍮と磁器でかたどったスズランをチャームとして取り入れた。
“レディ ディオール”は95年にオートクチュールから着想を得て誕生。故ダイアナ妃が愛用していたことから96年に一躍有名になり、メゾンのアイコン的なバッグとなっている。